では、なぜサイン決済が3月末で原則廃止となるのか。ここからは、利用者の視点で解説していく。クレジットカードの業界団体である「日本クレジット協会」は2025年4月から、「暗証番号の入力がないクレジットカードは(原則)利用できなくなる」と案内し、主に安全面について次のように言及している。
「お店でのカード不正利用の防止、お店のイメージアップ、カード会員様の安心・安全なクレジットカードライフのためにも、暗証番号入力を推進しましょう」(日本クレジット協会)
クレジットカードの業界団体である「日本クレジット協会」は、「暗証番号の入力がないクレジットカードは(原則)利用できなくなる」と案内し、不正利用の防止などにも触れ、暗証番号入力を推進したい考えを示している日本クレジット協会が2022年に実施した消費者意識調査によると、サイン決済ができなくなった場合に困る人は約3割で、前回の調査からほぼ変わらないという。
さらに、「カード会員の8割超が暗証番号を知っている」とし、暗証番号を忘れる人はほとんどいないということを裏付けた。加えて、カード会員の8割近くが「カードを偽造されにくい」「カードを悪用されにくい」という安全性のメリットを評価しており、カード会員のセキュリティへの関心が高いとしている。
サイン決済は、暗証番号を忘れてしまったときにも利用できる手法だった。そして、不正利用された場合、筆跡確認が可能だが、第三者がカード所有者本人の筆跡をまねしてしまえば、筆跡確認は意義をなさない。仮に所有者本人であっても、サインを誤ってしまい訂正したり、後から上書きしたりしたりすれば、そのクレジットカードを使用できない。
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