3G通信サービスを真っ先に停止したのはau……なのですが、日本で3G用にバンドを割り当てられたキャリアで、一番早くサービスを終了した所があります。2015年にソフトバンクモバイル(現在のソフトバンク)に吸収合併されたワイモバイルです。
ワイモバイルのルーツは、2007年にW-CDMA(HSDPA)規格による携帯電話サービスを展開し始めた「イー・モバイル」です。イー・モバイルには同社には3G用に1.7GHz帯(バンド9)が割り当てられ、「指、きたっす」という印象的なCMでデータ通信からサービスを開始しました。その後、2008年には音声通話サービスを開始しています。
その後の沿革は割愛しますが、ソフトバンクが保有するバンド9の帯域は旧ワイモバイルに由来するものなのですが、同社は2018年1月をもって同帯域での3Gサービスを終了しています。
これにより、Y!mobile(旧イー・モバイル→旧イー・アクセス)独自のバンド9を用いる3G通信サービスは利用できなくなりました。この帯域はソフトバンクにおけるLTEサービス(SoftBank 4G LTE)用に転用されました。
ソフトバンクのY!mobileブランドでは、ソフトバンクが持つ1.5GHz帯での3G高通信サービス「ULTRA SPEED」と、ブランドの前身となるイー・モバイルに割り当てられた1.7GHz帯を使った3G通信サービスを提供していました(ULTRA SPEEDの方は、イー・アクセスが吸収合併したウィルコムがソフトバンク回線を使うMVNOとして提供していたもの)スマートフォンが市場を席巻する以前に主流だった「ケータイ」は今後どうなるのか、という点にも触れておきます。
この記事をご覧の方の多くがそうであるように、現在の携帯電話端末の主流はスマホです。いわゆるPDA(Personal Digital Assistant)ではなく、“スマホ”として国内で初めて登場したのは、ソフトバンクが2008年に発売した「iPhone」、あるいはドコモが2009年に発売したHTC製の「HT-03A」でした。ドコモがLTE通信サービス「Xi(クロッシィ)」を始める1〜2年です。
それから16年弱が経過したわけですが、今は「携帯電話といえばスマホ」という感じです。従来型のケータイを使う光景を見かけることは少なくなりました。
しかし各キャリアは、今でも10キーを備えたケータイスタイルの携帯電話を販売しています。OSはAndroidベースで、中のチップセットもAndroidスマホ向けのものを使っていますが、使い勝手を極力ケータイに寄せていることが特徴です。
」(京セラ製)は、シニア層に向けたケータイです
一方で、携帯電話ショップ「テルル」を運営するピーアップは、オリジナルAndroidスマホ「Mode 1シリーズ」のラインアップとして、ケータイと同じテンキー付きの折りたたみボディーのモデルを用意しています。2017年9月に初代、そして2023年10月には2代目が登場しました。
こうした流れをみると、ケータイ型を使い続ける(求める)層は、高齢者やビジネス用途を中心に根強く残っていることは確かです。ニーズに合わせてデバイスを供給し続けられるメーカーがいれば、引き続きケータイに近い使い勝手の携帯電話を使い続けることもできそうです。
ただ、繰り返しにはなりますがスマホとは異なり、成長市場ではないので、多数のメーカーから多くのデバイスが発売されて、豊富な選択肢から選べる――そういう状況になることはないでしょう。
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