「(3a)Pro」ではなく「Nothing Phone (3a)」投入の理由、楽天モバイルが扱う背景は? キーパーソンに聞く日本攻略への道筋(2/4 ページ)

» 2025年05月16日 11時00分 公開
[石野純也,ITmedia]
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AI機能は「ユーザーが本当に欲しいものを探すところ」からスタート

―― Nothing Phone (2a)ではその処理能力を使ったAIを載せていますが、Essential Spaceはクラウド上で処理しているような挙動にも見えます。実際には、どうしているのでしょうか。

黒住氏 一部はオンデバイスですが、一部そうではない部分もあります。音声認識は基本的にクラウドですが、オンデバイスでやっている部分もかなりあります。情報の整理などはオンデバイスですね。また、カメラ周りの処理も情報量が多く、サーバ側で処理するには無理があるのでオンデバイスAIを活用しています。

Nothing Phone (3a)
Nothing Phone (3a) Essential Keyからスクリーンショットにメモを書いて保存したり、音声メモを録音したりできる

―― AIというと、文章作成だったり、音声認識だったり、翻訳だったりが多い印象ですが、Essential Spaceという形にまとめられたのはなぜでしょうか。

黒住氏 ソフトウェアを開発している人間とも話しましたが、彼とそのチームが言っているのは、大前提としてAIを使ったものは世の中にあふれているということです。われわれがプラットフォームとして使っているAndroidの中にも、既にAIが入っています。そういったものと戦うのではなく、ユーザーが本当に欲しいものをしっかり探すところからスタートしました。生活の中でも、情報はいろいろある。どのように覚えていくかのやり方も人それぞれですが、結果としてとっ散らかってしまうと、あとから思い出すことができません。Essential Spaceは、それらをAIで1カ所に集めていくというところからスタートしています。

 私が説明するときも、「忙しくて忘れがちなことを忘れないためにはいろいろなやり方がありますが、それがどこにあるのかをその都度探していませんか」という説明をしています。だったら、1カ所にそれを集めてAIを使い、適切なタイミングで適切な情報量で、適切に情報を出せるようにすればいい。その情報をベースにすれば、ユーザーがやりたいと思っていたことをよりよくできるエクスペリエンスになるのではないか。Nothingでは、第2の記憶と呼んでいます。

―― 自分も使ってみましたが、メールを開いてボタンを押すだけでスクリーンショットが保存され、その中身を解釈してToDoとしてまとめてくれました。最初から日本語でこれができたことは驚きでした。

黒住氏 自社だけでのAIではなく、パートナーシップの中でこの部分はどこと、ここはどことという形でやっています。アプリを選んでやるのではなく、いかに簡単かつ直感的にやれるかが重要です。ChatGPTを統合したときもそうですが、アプリではなくウィジェットから行けるようにしています。イヤフォンはダブルクリックでChatGPTを呼び出せましたが、同じことをスマホでやるなら専用ボタンがあればいいんじゃないかという話になりました。専用ボタンは僕自身大好きですが、(実装には)勇気も必要です。コストもかかりますが、それがあることで、ユーザーが確実に、簡単に、より頻繁にアクセスできるようになります。

Essential Keyのカスタマイズは議論があった

―― ただ、Essential Keyは位置的に間違って押してしまうこともありました。

黒住氏 開発チームには背面タップもあるのではとアドバイスはしましたが、慣れやすいということだとここでいいのかもしれません。僕自身も(Xperiaを開発していたときに)カメラキーを付けたら、最初は「何でここにキーを載せるの」と言われていましたが、今ではiPhoneにもカメラコントロールが載っていますし、そういう潮流はあると思っています。

Nothing Phone (3a) 電源キーの隣に用意されているEssential Key

―― 設定変更でアプリを割り当てられるようにするということはしないのでしょうか。

黒住氏 そこには議論がありました。キャリアがカスタマイズできるようにするという議論もありましたが、まずはこれでやってみようということになりました。今はカスタマイズできるようにするのではなく、ユーザーにシンプルな体験を提供することでこの機能を磨いていこうということです。

―― 先ほどのようにスケジューラー的に使うと、やはりPCでも保存したデータを見たくなります。今は端末に閉じていますが、クラウドで連携させて他のデバイスからもアクセスできるようにするというようにはならないのでしょうか。

黒住氏 記憶に関わることなので、情報を端末側にとどめて、まずはプライバシーを最重要視するというのが今のスタンスです。今は閉じていますが、ここからどう進化させていくのかですが、進化させるにあたっても、プライバシーはしっかり担保しておく必要があります。

―― ドロワーのジャンル分けもオンデバイスAIですよね。

黒住氏 これこそ、まさにAIの力です。Playストアのカテゴリーや使用頻度などをベースにカテゴライズできる機能を用意しています。まだβ版ですが、機能としては悪くないですよね。ただ、まだ「ソーシャル」が「社交」に直訳されてしまったりするのですが……。この辺がリソース不足の悲しいところです(笑)。

Nothing Phone (3a) アプリを自動でカテゴライズする機能もある

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