―― 実際に始めてみて、いかがでしたか。
坂本氏 具体的な数値はお伝えできませんが、想定の倍ほどの契約で大変好調です。
―― IIJとして、このような形でサービスをするのは珍しいですよね。
姜氏 いろいろな代理店とのやりとりはありますが、こういう形で自分たちのお客さまに対して還元するモデルは、弊社として初めてかもしれません。われわれが提供できる領域と、JALさんの提供できる領域がうまくかみ合い、お客さまに喜んでいただけるという意味で、いい取り組みだったと思っています。
―― ビックカメラのBIC SIMのように、相手のブランドで提供するものが形としては近いのでしょうか。
姜氏 はい。独自ブランド「○○SIM」という形を取り組んだのは、久しぶりです。ただし、代理店展開は継続的にやっていました。
―― 通常のIIJmioにないマイルがたまるのは、大きなメリットだと思います。IIJmioから移りたいという人も多いのでは。逆に素のIIJmioを契約するメリットはどこにあるのでしょうか。
姜氏 弊社にも、JALモバイルに移りたいというお問い合わせが来ていますが、それはそういうものだと思います。ただし、全員がJALモバイルに移りたいとなるかというと、そうではありません。(JALモバイルでは適用されない)他のキャンペーンなどがあり、そこは選択肢になります。
―― JALモバイルと通常のIIJmioでも、家族割引は適用されますよね。2社のシステムはどのように連携しているのでしょうか。
姜氏 家族という形で同一アカウントで契約していれば、データ容量のシェアも家族割引も適用されます。システム連携は、例えばお申し込みの導線の中でJALさんのサイトに行き、弊社に戻ってくるとIDが連携されるというような対応をしました。mioIDの中の回線ごとにJMBお客さま番号をひも付けるような連携を取っています。
―― こういった取り組みは、今後も広げていくお考えでしょうか。
姜氏 一番強いのは、いいサービスを提供したいという思いです。今回は、JALさんができることと、われわれができることがいい形で合いました。ただ、いい形でのコラボは他にもあると思っています。われわれができない部分を一緒にタッグを組んでやっていけるところは、探していきます。
―― 現状では、あくまでIIJmioの通信サービスにJALのマイルという形ですが、JALモバイルならではの通信サービスのようなものは考えられるのでしょうか。例えば、国際ローミングや海外用のeSIMなどは相性がよさそうです。
坂本氏 IIJさんのご協力にも関わってきますが、構想段階ではスピードを重視しました。海外ということでいうと、特典の中にJAL ABCのレンタルWi-Fiをつけ、海外渡航時にJALモバイルの方が優待を受けられる導線を設けています。そこが最もシームレスにつながるようにしたり、通信として提供したりというところはIIJさんと検討できればと考えています。
―― ただ、データローミングは今のMVNOだと難しいですよね。
姜氏 確かに現状だと難しいのですが、海外で使えるサービスは今後検討していきたいので、今、具体的に考えています。よりいい形でできるよう、用意したいと思っています。
―― 今後、素のIIJmioとJALモバイルで、サービス内容が変わってくることもあるのでしょうか。
姜氏 いろいろな形の商品設計ができると思っています。例えばプリペイドという形や、オプションなど、まさに検討したいと考えていたところです。お客さまにとって一番適切なものは何なのかというのは、今後の流れの中で考えていきます。お話をうかがう中で、専用の料金プランがあった方がいいという方向になるのであれば、検討したいと考えています。
マイルたまる「JALモバイル」開始 日本航空とIIJ、月額850円からの新MVNO 国内往復航空券など提供
スマホ決済「JAL Pay」3月22日に開始 JAL Global WALLETでのコード決済に対応
IIJmio「ギガプラン」改定の効果は「狙い通り」、プランの抜本改定は「検討の余地あり」 キーパーソンに聞く
IIJmio「ギガプラン」を改定した理由 社長の後押しで“サブブランドの30GB帯”とも真っ向勝負
IIJ谷脇新社長、IIJmioの春商戦に「手応えを感じている」 既存キャリアが提供できないサービスにも注力Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.