クラウドで端末のクラスを問わずにAIを使えるようにしたOPPOだが、Reno14 5GにあってReno13 Aにない機能も存在する。例えば、写真編集では、「鮮明度強化」や「AI消しゴム」「ぼけ除去」「反射除去」といった機能は両機種で利用できる一方、AIで構図の修正を提案する「AI再構成」や、複数の顔写真を元に被写体の顔を差し替えることができる「AIパーフェクトショット」といった機能は、Reno14 5Gにしか搭載されていない。
これについては、アップデートで差分を埋めていく計画があるようだ。中川氏は「Reno14 5GがReno13 Aの1つ上の機種のため使えるAIが多いが、全ての機種でAIを提供していくということで、今後のアップデートを検討している」と話す。Reno14 5Gは、本国の中国以外で初めてお披露目された端末。Reno13 Aのベースモデルよりも、投入時期が後になるため、より多くの機能が搭載されているとのこと。こうしたアップデートが容易なのも、クラウドAIの強みといえる。
クラウドAIを採用したことで、ミッドレンジながら、Reno13 Aでは多彩なAI関連機能を搭載できた。上記のAI消しゴムやぼけ除去、反射除去はその一例だ。背景の映り込みを消すといったことならAndroidに標準搭載されるGoogle フォトでもできるが、反射の除去などには対応していない。また、Reno14 5GのAI再構成も、Android標準にはない珍しい機能。AIを活用した機能を独自に実装することで、他社との差別化が図れている印象だ。
また、文章を要約したり、リライトをかけたりするAIツールも3機種共通で搭載した。ブラウザで記事を表示しているときや、ドキュメントやメモアプリで文章を編集しているときに、画面横から「AIツールボックス」を呼び出すことで、これらの機能を利用できる。生成AIを使った文章編集ツールはオンデバイスAIで提供されることが多く、搭載端末は限定されがちだが、OPPOは、ミッドレンジのReno13 AやミッドハイのReno14 5Gにもこうした機能を搭載した。
さらに、アップロードした写真などを元に画像を生成する「AI Studio」も、共通の機能として搭載する。クラウドを活用した生成AIの機能は、2024年に登場した「Reno11 A」にも採用されていたが、そのバリエーションを一気に広げた格好だ。Reno11 AとReno13 Aの搭載するチップセットを比べると、処理能力には大きな違いがないが、クラウド処理のAIを多数盛り込むことで、新味を出した。
5万円を下回るミドルレンジモデルはもちろん、8万円を下回るミッドハイモデルでも、ここまでAI関連の機能を網羅している端末は少ない。2024年に「AIセンター」を設立し、研究開発を続けてきた成果が一気に出た格好だ。ミドルレンジやミッドハイの市場はコストパフォーマンスが厳しくジャッジされる激戦区だが、AIを全面的に採用した端末は少ない。Reno13 AやReno14 5Gは、この市場でAIがどこまでユーザーに響くかを試す試金石になりそうだ。
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