Xiaomi Japanは7月8日、サブブランド「POCO」のフラグシップクラスであるFシリーズから、新型スマートフォン「POCO F7」を発売した。
メモリとストレージの構成は2種類あり、価格は12GB+256GBが5万4980円(税込み、以下同)、12GB+512GBが6万4980円だ。7月8日9時〜14日23時59分の間に購入すると早割価格を適用でき、通常価格から6000円が割り引かれ、前者は4万8980円、後者は5万8980円となる。
販路はMVNOのIIJmio、Xiaomi公式 楽天市場店、Amazon.co.jp、Xiaomi公式サイト(mi.com)、実店舗のXiaomi Store イオンモール浦和美園店とXiaomi Store イオンモール川口店となっている。
POCO F7の実機でず目を引くのが、その外観だ。マーケティングマネージャーの片山将氏によると、「特に日本の消費者の方は、スマホにケースを付けて使用することが非常に多いが、POCOシリーズとしては、愛されるブランドを目指すアイデンティティーの中で、デザインに非常に力を入れている」とアピールする。
片山氏は、ケースの装着ニーズを紹介しつつも、「POCO F7はケースを付けずに使っていただきたいと心から願っている」と話す。POCOのフラグシップカラーは、「非常にエッジの効いたデザインを多く採用してきた」経緯がある。例えば、2025年2月に発表された「POCO X7 Pro」も、イエローとブラックのツートンカラーで非常に個性的だった。POCO F7のカラーは、フラグシップカラーと銘打つ「サイバーシルバーエディション」と、ホワイト、ブラックという定番色を含む3色を用意する。
POCO F7は、背面のガラス面だけでなく、カメラ部分なども含め、細部にまでこだわりを盛り込んだ。背面パネルにはガラス素材を使用して高級感も追求した。側面にはアルミ素材を採用してデザイン性と堅牢(けんろう)性の高さを目指し、「刺さる人には刺さる、非常に個性的なデザインだ」と片山氏は力説する。
プロセッサには、Qualcommの「Snapdragon 8s Gen 4」を採用した。同プロセッサ搭載モデルが日本市場に投入されるのは、今回が初めてとなる。片山氏によると、CPU、GPU、AIそれぞれのパフォーマンスが、前モデル「F6」と比較して大幅に向上したという。Webブラウザや地図、SNSの閲覧といった日常使いはもちろんのこと、高度なグラフィック性能が求められるリッチなゲームもプレイできる。POCO Fシリーズのベースモデルの中では、「最高性能となる208万点以上のAnTuTuスコアを記録」したそうだ。
バッテリーの持ち具合も用途を問わず重視される。POCO開発チームは、「現在のバッテリー容量ではまだ足りない」と考え、POCO F7にはPOCO史上最大の6500mAhバッテリーを搭載した。充電速度もPOCOブランドの大きな強みであり、POCO F7も例外なく急速充電に対応している。90Wでの急速充電が可能で、30分で約80%まで充電できる。大容量バッテリーと超急速充電の組み合わせにより、「充電切れのトラブルを即座に回復できる」点も、POCOブランド全体の大きな強みの1つだという。
この大容量バッテリーをフルに活用するため、22.5Wの有線リバース充電機能を搭載した。これは「決して珍しい機能ではない」と片山氏は前置きしつつ、「22.5Wという出力は他のスマートフォンの充電速度と比較しても非常にスピーディーであり、大きなセールスポイントだ」と話す。例えば、「iPhone 16」を持っている友人の充電が切れた際でも、28分で約47%充電できるなど、友人や家族の充電を補助する役割を担えるとしている。
上位モデル「POCO F7 Ultra」と同様に、「3DデュアルチャンネルIceLoop」という冷却システムを搭載しており、長時間使用しても熱暴走の心配はなく、ゲームプレイ中のパフォーマンスを維持できるそうだ。
CPUとGPUの効率を最大にしてパフォーマンスを高めたり、タッチコントロールのレスポンスを向上させたり、独自のアルゴリズムで画質を向上させたり、イヤフォンの使用時に足音や声などの効果音を聞き取りやすくしたりする「WildBoost Optimization 4.0」機能を搭載する。こちらもPOCOブランド上位モデルと同等の機能に相当し、コストパフォーマンスのよさがみてとれる。
ディスプレイは、POCO Fシリーズで最も大きい6.83型の有機ELを搭載。1.5K(1280×2772ピクセル)解像度での表示に対応し、リフレッシュレートは最大120Hzの可変式となっている。ピーク輝度は3200ニトと屋外でも明るく表示できる。
アウトカメラは、メインカメラと超広角カメラのデュアル構成で、上位モデルに搭載されている遠くの被写体を撮影可能な望遠カメラは搭載しない。5000万画素の広角メインカメラにはソニー製のIMX882センサーを搭載し、光学式手ブレ補正に対応する。超広角カメラは800万画素。インカメラは約2000万画素だ。
OSには、Android 15をベースとしたXiaomi HyperOS2を採用。GoogleのAIアシスタントの「Gemini」もサポートする。Xiaomi Japanの副社長の鄭彦(てい・げん)氏によると、POCO F7では「4回のOSアップデートと6年のセキュリティアップデートを予定」しており、長期的な使用を想定しているそうだ。
Androidスマートフォンを日本で使う場合、圧倒的シェアを誇るiPhoneを含むiOSユーザーとの連携が気になる点だが、片山氏は「POCOにおいても他のOSとの連携を少しずつ強化している」という。
その1つが「Xiaomi Interconnectivity(シャオミ インターコネクティビティ)」というアプリを使った連携だ。iPhone、iPad、MacBookそれぞれにこのアプリをインストールし、同じWi-Fi環境下で同じMi アカウントでログインすることで、POCO F7と連携し、データの共有を「AirDrop」のようにスムーズに行える。
会場には、「Xiaomi Interconnectivity(シャオミ インターコネクティビティ)」を試せるPOCOブランド実機がなかったため、片山氏の協力を得て「Xiaomi 14 Pro」で検証した。非常にスムーズに画面や画像などのファイルをMacBookと共有できたさらに、MacBookの画面上でPOCO F7のスマートフォン画面を共有することもできるため、PC上でスマートフォンの操作も可能だ。スマートフォンはAndroidだが、PCはMacBookを使っている……という人でも、POCO F7との連携機能により「生産性の向上」が期待できる。POCO F7は、Windows PCの「Windowsにリンク」というサービスにも対応しており、Windows PCへの画面表示やデータ連携をスムーズに行える。
POCO F7は、Windows PCへアクセスするための「Windowsにリンク」という機能にも対応している。設定には、同機能にアクセスするための項目が用意されている。こちらもPOCO F7では試せなかったため、Xiaomi 14 Proの画面を撮影した
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