未来への実験場でのデータ収集には、JR東日本が持つ鉄道データも掛け合わせていく。JR東日本 代表取締役社長の喜勢陽一氏は「KDDI様のデジタル分野での先進的な技術力と知見、そしてこの街(高輪)のアセットを掛け合わせることで、未来に向けたさまざまな実証実験を行い、その成果を日本国内だけではなく、世界に向けて発信し、社会実装していく」と意気込みを語った。
TAKANAWA GATEWAY CITYの3大テーマとして、喜勢氏は「環境」「モビリティ」「ヘルスケア」の3つを挙げる。環境ではゼロカーボンの街作りを目指し、エネルギーマネジメントの実験を行っていく。モビリティでは、人とロボットが共生する世界を目指す。
ヘルスケアでは、医療と通信を融合させた未来型の健康ライフ実現を目指す。例えば、ロボットを活用した常備薬のデリバリー、バイタルデータに基づく食事やフィットネスなどのレコメンド、Suicaの移動履歴とバイタルデータを掛け合わせた最適な睡眠のアドバイスなどを想定している。
モビリティでは、Suicaの進歩も欠かせない。Suicaは単なる交通ICカードや決済手段にととどまらない用途が見込まれる。その一例として、マイナンバーカードなど行政サービスとの連携、GPSや人工衛星などを活用したウォークスルー改札、ユーザーの移動と購買をつなげた新たなビジネスモデルの構築などが挙がる。「通信とSuicaの融合は日常生活に密着した新たな価値を創造し、都市の利便性と経済活動の可能性をさらに大きく広げていく」と喜勢氏は期待を寄せる。
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