ソフトバンク業績は好調も、宮川社長を悩ます「値上げ問題」 背景に楽天モバイルの存在(1/2 ページ)

» 2025年08月06日 10時41分 公開
[小山安博ITmedia]

 ソフトバンクは5日、2026年3月期第1四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比8.0%増の1兆6586億1500万円、営業利益は同4.3%減の2907億3400万円で増収減益だった。ただし、LINEヤフーにおける一過性の要因が影響したため、「実力ベース」(宮川潤一社長)では6%の増益だとしている。

 宮川氏は、営業利益で通期予想に対する進捗(しんちょく)率が29%となっていることから、通期1兆円の営業利益達成について「確実にやることをお約束できる」と強調。他社に対抗した携帯料金の値上げについては、「値上げしたい気持ちはすごくある」ものの、ユーザーから受け入れられるかを慎重に検討して判断したい考えだ。

ソフトバンク ソフトバンクの宮川潤一社長(提供:ソフトバンク)

ARPUは減少も「コンシューマーは心配していない」

 全体の売上については、全セグメントで増収となっており、特にファイナンスとディストリビューション事業が20%を超える成長率となった。営業利益は、利益ではメディア・EC事業で254億円、コンシューマー事業で26億円とそれぞれ減少し、132億円の減益となった。

ソフトバンク 売上高は8%の増収となった

 これは、2024年にLINEヤフーグループが計上した、子会社の支配喪失に伴う一時的な利益が432億円あり、さらに今期にはLINE Bank Taiwanへの増資に伴う一時益が加わり、これらを省くと営業利益は2607億円から2762億円と6%の増益。全体の進捗率に対しても29.1%となっており順調。

ソフトバンク 一時的な要因を除けば6%の増益

 セグメント別では、主力のコンシューマー事業において売上高が同5.3%増の7178億円、営業利益は同1.6%減の1538億円となった。ファイナンスが137%、ディストリビューションが55%と、それぞれ大幅な増益となっており、エンタープライズも18%増で順調だった。

ソフトバンク 全セグメントで順調に増収している

 モバイル分野では、売上高が同1.3%増の3975億円にとどまり、営業利益は同1.6%減の1538億円の増収減益だった。スマートフォンの仕入れ原価や販売促進費が増加したことで、営業費用が7.4%増の5640億円となったことが影響した。端末代金の上昇で物販等売上は伸びたが、費用も増大した。

ソフトバンク 営業利益はコンシューマー事業が減益した

 ARPU(ユーザー1人あたりの平均収入)の増加に影響するスマートフォン契約は同3%増の3195万契約となり、1年間で105万件の増加となった。ARPU自体は同30円減の3700円だが、コンシューマー分野では上昇傾向にあり、「コンシューマーは心配していない」と宮川氏は自信を見せる。

ソフトバンク 通期予想に対する進捗率は順調に推移している
ソフトバンク セグメント別でも進捗率は好調。その他の研究開発などの費用は、「金がないという言い訳にしていた研究者を黙らせた」という費用で、1000億円を使い切らなければ最終的には利益の上振れ要因となる

 コンシューマー事業の進捗率も28%で、第2四半期から巻き返しを図り、通期純増の見通しは維持する。ソフトバンクは全体として「下期に売上が増加する構造」であり、第1四半期としては順調との認識を宮川氏は示す。

ソフトバンク コンシューマー事業も増収している
ソフトバンク モバイルは減益だったが、通期での増益予想は変わらず

ファイナンス事業も好調 PayPayの決済取扱高は4.5兆円に

 PayPayなどの金融/決済分野を含むファイナンス事業では、売上高は913億円で23%増。営業利益は181億円で、136.8%という大幅な成長となった。PayPayの決済取扱高が24%増の4.5兆円まで順調。PayPayの連結EBITDAが87%増の219億円まで拡大した。PayPayとの口座連携で特典を優遇したことで「PayPay銀行も軌道に乗った」と宮川氏。PayPay銀行では、ソフトバンクユーザー向けに住宅ローン金利優遇も実施したことで、貸金残高が増加した。

ソフトバンク ファイナンス事業は2桁成長を果たした
ソフトバンク 営業利益は2倍以上の増益

 エンタープライズ事業では、継続してソリューション事業が成長。事業全体では売上高が8%増の2338億円、営業利益が18%増の488億円となった。この分野では、三井住友カードとの連携が大きなトピックで、ソフトバンクが提供するヘルスケアなどのデジタルサービスをOlive会員に提供する他、PayPayとも連携して両社の経済圏の強みを生かし、「決済の大連立を目指す」とした。

ソフトバンク 三井住友カードとの業務提携はさまざまな領域での協業となる

 さらに、ソフトバンクが開発を進めるAIコールセンターのソリューションを、三井住友カードのコンタクトセンターへ導入する計画。これは同社にとっても最初の導入事例であり、2025年度内にも導入が行われる。これには宮川氏も大きな期待を寄せている。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  2. 庵野秀明、GACKT、ひろゆき、ドワンゴ川上らが集結 “カメラのいらないテレビ電話”をうたう新サービス「POPOPO」18日に発表へ (2026年03月11日)
  3. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  4. 「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に (2026年03月09日)
  5. どこでもウユニ塩湖? 3COINSで550円の「スマホ用反射ミラークリップ」を試す (2026年03月12日)
  6. 自分で修理できるスマホ「Fairphone(6th Gen.)」を見てきた わずか10分で画面交換、2033年まで長期サポート (2026年03月10日)
  7. 携帯キャリアの通信9サービス、総合満足度はpovoがトップ サブブランド勢が好調 MMDが調査 (2026年03月10日)
  8. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  9. 60ms未満の音声遅延速度で端末をワイヤレス化「UGREEN USBオーディオトランスミッター」が30%オフの2309円に (2026年03月09日)
  10. 「Galaxy S26」シリーズはどこが安い? 一括価格と2年間の実質負担額を比較、お得なキャリアはココだ (2026年03月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年