Wi-Fiが不安定な環境で大活躍した「USBテザリング」 設定方法と注意点は?ふぉーんなハナシ

» 2025年08月07日 14時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 5月下旬、台湾で行われた「COMPUTEX TAIPEI 2025」の取材をしてきました。会期前日に行われたNVIDIAのジェンスン・フアンCEOの基調講演を皮切りに、いろいろと取材した……のですが、PCを使ったデータ通信面で“困ったこと”がありました

台北ミュージックセンター 5月20日(台北時間)に台北音楽中心(Taipei Music Center)で行われたジェンスン・フアンCEOの基調講演の始まる直前。前方3列程度が関係者、その後方が報道関係者の席でした
ディスクレイマー 米国の上場企業が講演や発表会を行う際に、ほぼ確実に表示される「ディスクレイマー(Disclaimer)」と呼ばれる文章。その名の通り、講演(発表)内容に関する免責事項を示したものですが、これが表示されると“開幕”ということです

人が多すぎてWi-Fiが使えない!?

 COMPUTEX TAIPEI 2025のような国際的な展示会の基調講演には、世界中から企業関係者や報道関係者が集まってきます。最近であれば、SNSや動画投稿サイトを主戦場とするインフルエンサーが招待されるケースもあるので、一層多くの人が集まりがちです。

 先に触れたフアンCEOの基調講演では、NVIDIAやCOMPUTEX TAIPEIの関係者、報道関係者、インフルエンサーに加えて、事前申し込みをした開発者もやってきており、まさしく「人、人、人」な状況でした。

 このような状況で、ちょっと困るのがインターネット通信です。

 私もそうなのですが、報道関係者はノートPCを開いて講演のメモを取ったり、原稿の下書きを進めたり、講演で撮影した写真の整理/編集をしたりしていることが多いです。最近では写真の管理をクラウドベースにしていたり、記事に先んじてSNSなどに発表会の様子を投稿することもあったりするので、インターネット接続が欠かせません。

 しかし、こういう状況で多くの人がインターネット接続の方法として頼りにするのがスマートフォンの「Wi-Fiテザリング(インターネット共有)」です。Wi-Fiテザリングならケーブルをつなぐ必要もなく、スマホ側で(場合によってはPCからの遠隔操作で)テザリングのスイッチをオンにするだけなので、楽といえば楽です。

 しかし、考えることはみんな同じで、数百人(場合によって1000数百人)が一斉にWi-Fiテザリングをオンにします。ゆえに、混信が起こってマトモに通信できないことも珍しくありません

 混信対策の一環で、主催者がWi-Fi(無線LAN)アクセスポイントを用意することもあります。しかし、多くの人が同時に接続すると、ルーターが通信をさばききれなくなり、通信が不安定になることもあります。最近は、発表会中に動画のライブ配信をしようとする人もいるので、一層不安定になることもあります(ゆえに現地でのライブ配信を禁止するケースもあります)。

最中 最近では、報道関係者も大きなデジタルカメラではなくスマートフォンで写真撮影を済ませることがあります。これはスマホのカメラの品質向上もあるのですが、スマホで撮ればクラウドストレージを介してすぐに共有(あるいは自身のPCにダウンロード)できるという利便性があるから……なのですが、こういう状況でWi-Fiテザリングが多発するとなかなかうまいこと行かなくなります

そこで活躍する「USBテザリング」

 このように人が混み合う場所では、携帯電話の通信も混雑しがちです。ただ、Wi-Fiと比べると携帯電話の通信規格はより多数の同時接続を想定しているため、「Wi-Fiよりはマシ」なことが多いです。

 また、事前に混雑することが分かっている場合、携帯電話事業者が移動基地局(車)を配備して、収容力を高める対策をすることがあります。ご多分に漏れず、フアンCEOの基調講演には、台湾の主要事業者が移動基地局車を出動させていました。

移動基地局車 NVIDIA/COMPUTEX関係者や報道関係者だけでなく、開発者も多数集まると事前に分かっていたこともあり、台湾の主要携帯電話が5G対応移動基地局車を出動していました

 携帯電話(スマートフォン)自体の通信はそこそこできるが、Wi-Fiは混み合っている――そんな時に使いたいのがUSBテザリングです。

 その名の通り、USBテザリングはPCとスマートフォン/タブレットをUSBケーブルでつないで行うテザリングです。USBケーブルで直結するのでWi-Fiの混信の影響を受けないことはもちろんですが、スループット(実効通信速度)を改善しやすいというメリットがあります。

USBテザリング 混雑する場所でノートPCをインターネットにつなげる際は、USBケーブルで直結した方が快適なことが多いです

 USBテザリングは、それほど難しくありません。Windows PCを例に手順を説明します。

iPhone/iPad(Wi-Fi+Celluarモデル)の場合

 iPhoneやiPad(Wi-Fi+Celluarモデル)でUSBテザリングを行う手順は以下の通りです。

  1. iPhone/iPadの「コントロールセンター」を開く
  2. ネットワーク項目にある「インターネット共有」をタップしてオンにする
  3. ケーブルを使ってiPhone/iPadをWindows PCにつなぐ
  4. 「このコンピュータを信頼しますか?」と聞かれた場合は「信頼」をタップ
  5. パスコードの入力を求められた場合はパスコードを入力
  6. iPhone/iPad側とWindows PC側の双方で接続が成立したか確かめる

 USBテザリングをオフにしたい場合は、シンプルにUSBケーブルを抜くか、コントロールセンターのネットワーク項目にある「インターネット共有」をオフにしてください。

 なお、iPhoneやiPad(Wi-Fi+Celluarモデル)をWindows PCと組み合わせてテザリングする場合は、Microsoft Storeから「Apple Devices」または「iTunes」をインストールしておく必要があります(USBテザリングに必要なデバイスドライバが含まれています)。

USBテザリング iPhone/iPadのUSBテザリングは、コントロールセンターからオン/オフできます。USBテザリングが有効な場合、機種によって画面最上部全体、あるいは時計の部分が“緑色”に光ります。「設定」の「インターネット共有」からもオン/オフできますが、若干階層が深いので、この方法がお勧めです(なお、緑色の部分をタップすると「インターネット共有」にジャンプします)
テザリング iPhoneやiPadでUSBテザリングをする場合、Windows PCでは「Apple Devices」または「iTunes」を事前にインストールしておく必要があります

Androidスマートフォン/タブレットの場合

 Androidスマートフォン/タブレット(以下「Android端末」)でUSBテザリングをする手順は以下の通りです(メーカーや機種によって手順が異なる場合があります)。

  1. ケーブルを使ってAndroid端末をWindows PCにつなぐ
  2. 「このデバイスを USB で充電中」の通知をタップ
  3. 「USB 接続の用途」にある「USB テザリング」を選択
  4. 認証画面が出た場合は生体認証か代替認証を行う
  5. Android端末側とWindows PC側の双方で接続が成立したか確かめる

 USBテザリングをオフにしたい場合は、シンプルにUSBケーブルを抜くか、通知パネルの「USB テザリング ON」をタップして「USB 接続の用途」を「充電のみ」に切り替えてください。

 Windows PCでは、Android端末でUSBテザリングをするためのデバイスドライバがあらかじめ組み込まれています。そのため、端末をつなげばすぐに使えるようになります。

 なお、Android端末のUSBテザリングでは、機種によっては自身のWi-Fi接続をPCと共有できる場合があります

USBテザリング Android端末のUSBテザリングは「USBの設定」からオン/オフすると楽に行えます(「接続」設定からも行えますが若干階層が深めです)
有線 iPhone/iPadにしてもAndroid端末にしても、USBテザリングはWindowsから「有線接続のネットワーク」として認識されます

「USBテザリング」に欠点はない?

 Wi-Fiの混信とは無縁でスループットも改善するUSBテザリングですが、接続中はPCからスマートフォン/タブレットに給電され続けます。つまり、ノートPCで使うとバッテリーの消費が早くなるという欠点があります。

 もっとも、ノートPCから給電される分だけスマートフォン/タブレットのバッテリー残量は減らない(それどころかむしろ増える)ので、良しあしなんですよね……。

 あと、ケーブルが必要というのもボトルネックになり得ます。持ち運ぶ荷物が増えますからね……。

 ともあれ、Wi-Fiテザリングがうまくつながらない場合はUSBテザリングも試してみてください。これはこれで“アリ”です!

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