「iPhone 17/Air」が“eSIMのみ”に変更された理由 ソフトウェアでeSIM利用を促進、キャリア側の対応も進む石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2025年09月13日 09時54分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

キャリア側の準備も進む、スマホのeSIM専用化の流れは確定か

 もっとも、eSIMのプロファイルを発行するのはキャリア側。Appleが単独で機能を開発しただけで導入できるものではない。ターナス氏も「キャリアパートナーとの綿密な計画やテストによって、グローバルなカバレッジが実現した」と語る。Appleが単独で実行に移したというより、これを受け入れるキャリア側との協力があって、初めてeSIM専用設計が可能になったといえる。

 キャリア側も事前にeSIM専用の端末を受け入れる準備を進めてきた。先に挙げたeSIMクイック転送への対応は、その1つ。当初は分かりづらかったプロファイル再発行のオペレーションなども徐々に改善されてきている。

iPhone Air キャリア側も、eSIMをより簡単に扱えるよう対応を進めてきた。画像はドコモのeSIMクイック転送を紹介するページ

 ただ、SIMカードを入れ替えるだけとは違い、eSIMの再発行にはどうしてもシステムを動かすためのコストがかかる。キャリアの一部は、それを手数料としてユーザーに転嫁している。こうした中、各社ともeSIM専用端末のiPhone Air投入前に、相次いで無料化を打ち出した。

 ソフトバンクは8月に事務手数料を改定したが、その際にもeSIM再発行だけは無料を当面の間、継続することにした。KDDIも、9月から4Gと5G、5Gと5G SAなどに契約種別が変わる際の手数料を無料化。eSIM再発行の手数料もソフトバンクと同様、当面無料にしている。“当面”という言葉は少々気になるが、もともとオンラインでの手続きに手数料を取っていないドコモや楽天モバイルも含めて、大手キャリアは4社ともeSIMの再発行が無料になっている。

iPhone Air 8月に事務手数料を値上げしたソフトバンクだが、オンラインでのeSIMの再発行は当面という形で無料を維持した

 また、店頭でのオペレーションもiPhone 17シリーズやiPhone Airの投入に向け、徐々に変更を加えてきたようだ。Y!mobileの新料金プラン「シンプル3」発表時に、専務執行役員 コンシューマ事業推進統括の寺尾洋幸氏は、ソフトバンクショップでeSIMを推進していることを明かし「物理SIMとは違ったオペレーションになるので、その練習をしているところ」と語った。

 実際、筆者がPixel 10を購入するためにソフトバンクショップを訪れたところ、物理SIMからeSIMへの変更を強く勧められた。Pixel 10は物理SIMにも対応しているものの、ショップにおいてもeSIMを中心にしたオペレーションへシフトしようとしていることがうかがえた。

iPhone Air Y!mobileのシンプル3発表時に、eSIMの店頭対応を準備していると語った寺尾氏。iPhoneの発表で、その準備が何のためだったかが明らかになった格好だ

 日本で約半数のシェアを占めるiPhoneがeSIM専用端末になることで、その利用率は一気に上がっていくことは間違いない。かつてはmicroSIMやnanoSIMを先行的に採用し、eSIMへの対応も早かったApple。こうした動きにAndroid勢が追随することで、業界のスタンダードが塗り替わってきた経緯がある。こうした歴史を踏まえると、iPhone AirやiPhone 17シリーズの登場をきっかけに、eSIM専用化の動きが加速する可能性も高そうだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  2. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  3. 「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に (2026年03月09日)
  4. 自分で修理できるスマホ「Fairphone(6th Gen.)」を見てきた わずか10分で画面交換、2033年まで長期サポート (2026年03月10日)
  5. 携帯キャリアの通信9サービス、総合満足度はpovoがトップ サブブランド勢が好調 MMDが調査 (2026年03月10日)
  6. 60ms未満の音声遅延速度で端末をワイヤレス化「UGREEN USBオーディオトランスミッター」が30%オフの2309円に (2026年03月09日)
  7. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  8. Qualcommのウェアラブル新チップが「Elite」を冠する理由 最新モデム「X105」は衛星通信100Mbpsへ (2026年03月11日)
  9. 【無印良品】ウエストポーチもになる「スリングバッグ」が3990円に値下げ中 植物由来の原料を使用 (2026年03月11日)
  10. 「えっ、地震?」──LINEが安否確認テスト 1日限定で 「紛らわしい」との声も (2026年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年