iPhone 17シリーズ3機種とiPhone Airが、9月19日に発売された。iPhone 12シリーズ以降、スタンダードモデルとプロモデルに画面サイズが異なる2モデルを用意してきたAppleだが、2025年はそのバリエーションを大きく変えた。その1つが、厚さわずか5.6mmのiPhone Airだ。同機は、初めて国や地域を問わず、全てのSKUがeSIM専用仕様になったことも話題を集めた。
一方で、プロモデル2機種も、これまでとは路線を変え、アルミのユニボディーを採用した。チタンやすりガラスを使ってエレガントさを追求していたこれまでのプロモデルとは、ややその位置付けが異なる。デザインとしてはきれいにまとまっている一方で、放熱設計を重視した本体は、よりプロが使う道具のように見える。
新モデルや大胆なモデルチェンジを果たした3モデルに対し、iPhone 17はこれまでと大きく見た目を変えずに性能を強化しており、望遠カメラ以外はiPhone 16までのプロモデルに匹敵するスペックを誇る。では、なぜAppleはここまで大きくiPhoneをリニューアルしたのか。同社のプロダクトマーケティング バイスプレジデントを務めるボブ・ボーチャーズ氏がその真意を語った。
新製品発表会の冒頭、CEOのティム・クック氏はAppleの創業者である故スティーブ・ジョブズ氏の言葉を引用しながら、「デザインとは、単なる見た目や手触りではなく、どう機能するかも含まれる」と語った。ボーチャーズ氏によると、iPhone AirやiPhone 17シリーズには、まさにこの哲学が貫かれているという。日本語だと、片仮名の“デザイン”ではなく、“設計”という言葉がそのニュアンスに近い。
あえてジョブズ氏の名言を引用した背景には、iPhone 17シリーズやiPhone Airが、従来以上に機能と外観を上手に融合させているからだ。ボーチャーズ氏は、iPhone 17 Pro/Pro Maxを挙げ、「あらゆる要素がその言葉を体現している」と語る。その見た目が「iPhone 16 Pro/Pro Max」から大きく変わった理由の1つが、ここにある。
代表的な要素が、本体をアルミのユニボディーにして設計を大きく変えたことだ。また、これまではカメラなどを収めたプラトー(台座)を上部に設けており、左上にカメラだけが収められていたこれまでのモデルとは大きな差になっている。これらのデザイン変更は、いずれも機能に直結しているものだ。ボーチャーズ氏は、次のように語る。
「アルミニウムを選択したのは、その軽量性だけでなく、驚くべき耐熱性のためで、称賛すべき素材です。プラトーはカメラを置く場所であるだけでなく、その下にさまざまな部品が収められた機能的な要素であり、さらにアンテナのスプリットをするためにも不可欠な部分になっています」
その結果として、iPhone 17 Pro/Pro Maxは「まったく新しいレベルのプロに引き上げられた」という。ボーチャーズ氏は、「最速のプロセッサに最高の熱管理システム、最も進化したカメラ、そして最大のバッテリーを搭載しており、それらは真に最高レベルのプロモデルになっている」と話す。
製品発表会の場でもたびたび紹介されているように、近年、iPhoneのプロモデルは映像制作の現場に採用される事例も出てきている。日本では、その作品が世界中で高く評価されている是枝裕和監督がiPhoneのみで撮影した短編映画「ラストシーン」がYouTubeで公開され、話題を集めたことが記憶に新しい。よりスペックが高いiPhoneというだけでなく、その道のプロが道具として使えるiPhoneが求められていたというわけだ。
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