続いて、上位モデルのiPhone 17 Pro/17 Pro MaxとPixel 10 Pro/10 Pro XLを比較しよう。
iPhone 17 Proのディスプレイサイズは6.3型、iPhone 17 Pro Maxは6.9型。Pixel 10 Proは6.3型、Pixel 10 Pro XLは6.8型だ。標準モデルと同様に、iPhone 17 Pro/17 Pro Maxのリフレッシュレートは最大120Hzに対応しており、Pixel 10 Pro/10 Pro XLと遜色ない。
カメラに関しては、どちらも広角+超広角+望遠の3眼構成だが、望遠機能で大きな違いがある。iPhone 17 Pro/17 Pro Maxは48MP望遠カメラを搭載し、最大8倍相当の光学ズームを実現している。ただしレンズとして光学ズームに対応しているのは4倍までで、中央部をクロップすることで、疑似的に8倍まで光学品質でのズームが可能になる。Pixel 10 Pro/10 Pro XLも48MPの望遠で、光学ズームは5倍(クロップにより10倍相当)となる。
【訂正:2025年9月22日21時30分 iPhone 17 Proの光学ズームについて最大8倍と記載していましたが、8倍はクロップによるものなので、「光学8倍相当」としました。】
ただし、デジタルズームを併用した場合、iPhone 17 Pro/17 Pro Maxは最大40倍、Pixel 10 Pro/10 Pro XLは最大100倍と大きな差がある。デジタルズームは画像が荒れて使い物にならないという印象があるが、Pixel 10 Pro/10 Pro XLのAI処理による超解像ズームProは、ある程度自然な仕上がりになる。ただし超解像ズームProには生成AIによる画像生成が含まれており、一部、不正確な絵作りになる場合があるので要注意。また、人物撮影には超解像ズームProは使用できない。
iPhone 17 Pro/17 Pro Maxだけの特徴として、LiDARセンサーを搭載していることがある。3Dスキャンなどにも使われるが、暗所にも強い測距センサーとしても利用される。
Pixel 10 Pro/10 Pro XLにもマルチゾーン LDAFセンサーが搭載されており、暗所のAF性能という点ではそん色ないと考えられるが、空間把握や深度マップの作製など、汎用(はんよう)性という点ではiPhone 17 Pro/17 Pro Maxが勝っていそうだ。
ストレージに関しては、Pixel 10 Pro/10 Pro XL が最大512GBなのに対して、iPhone 17 Proは最大1TB、17 Pro Maxは2TBモデルが用意されている。iPhoneはできるだけオンデバイスで完結、Pixelはクラウドを活用ということを想定しているのかもしれない。
iPhone 17 Pro/17 Pro Maxでは、材質を従来のチタンからアルミニウムユニボディーに変更した。さらに、初めて蒸気チャンバー冷却システムを搭載することで、従来モデルで課題となっていた発熱問題を解決している。これにより、A19 Proチップの性能を最大限に発揮できるようになった。また、iPhone 17シリーズは従来通りMagSafeに対応。最大25Wでのワイヤレス充電に対応している。
一方、Pixel 10シリーズでも新しい「Pixelsnap」機能を導入。Qi2対応の磁気システムにより、ワイヤレス充電やアクセサリーの装着が簡単になった。Pixel 10/10 Proは15Wにとどまるが、Pixel 10 Pro XLは25W Qi2.2ワイヤレス充電に対応している。
iPhone 17シリーズでは、無印のiPhone 17に「A19」、Proモデル(17 Pro、17 Pro Max)に「A19 Pro」が採用されている。Pixel 10シリーズは全モデルに「Tensor G5」が搭載されている。
Tensor G5は従来のSamsung製からTSMCの3nmプロセス(N3E)に製造を移行し、効率性と発熱の改善を図った。しかし、ベンチマークスコアで比較すると、A19/A19 Proの方が大幅に高いスコアを記録しているようだ。
この原稿の執筆時点では、iPhone 17シリーズはまだ発売されていないのだが、A19/A19 Proのものとみられるベンチマークスコアが既にGeekbenchで公開されている。
これを見ると、Geekbench 6のA19 Proのスコアはシングルコアが「3600前後」、マルチコアが「9500前後」となっている。対してTensor G5は、シングルコアが「2200前後」、マルチコアが「5500前後」と依然として差が大きい。
この件については、Googleは以前からTensorチップはベンチマークのスコアではなく、AI性能とユーザー体験に焦点を当てていると述べている。実際、Pixel 10シリーズには「カメラコーチ」「マジックサジェスト」「超解像ズーム」など、Tensor G5のAI性能を生かした独自機能を多数搭載している。
とはいえ、日常的にAIを活用しているという人でもなければ、その恩恵は感じにくい。やはり多くの人が気にするのは日々使うアプリやゲームの快適性だろう。この点でいうと、iPhone 17シリーズの方が優っているといえそうだ。
なお、AI利用という点では、iPhone 17シリーズの発表ではApple Intelligence関連はかなりトーンダウンしたように感じた。AI機能そのものには「ビジュアルインテリジェンス」や「ライブ翻訳」などを搭載し、粛々と対応を進めているが、あまり壮大なことは触れずに地に足を着けた印象だ。
現状では、AI機能の豊富さや先進性ではPixel 10シリーズに軍配が上がりそうだが、iPhone 17シリーズの方が基本性能は高く、今後AI機能が追加されていった場合にも余力をもって対応できるかもしれない。
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