ここまでの話を受けてピンとこない人もいると思います。「デバイスをいっぱい持つのは面倒だ」「とにかくいい写りをするシンプルなものが欲しい」という意見はもっともだと思います。これ一台で何でもできるという方向性を突き詰めることも楽しいでしょう。
ここからは筆者の妄想なのですが、今回登場したiPhone Airは、シングルカメラという制約を通して、実は私たちに重要な問いを投げかけているのではないか、という気がしています。つまり、スマートフォンは本当に全ての機能を1台で完結させる必要があるのだろうか、ということです。USB Type-C端子が2.0でDisplayPort非対応という割り切りもそう解釈できないか、と。
スマートフォンから機能を分離することで、それぞれのデバイスが本来の役割により特化できます。iPhone Airの場合、薄型軽量ボディーに6.5型の美しいディスプレイと最新のA19 Proチップを搭載、これらの基本性能に集中することで、コミュニケーションツールとしての完成度を高めています。
であるならば、撮影については専用デバイスに委ねることで、より個性的な写真表現が可能になる。サブスマホ、コンデジ、オールドカメラ、フィルムカメラ──どの選択肢を選ぶかによって、自分だけの撮影スタイルを構築できるのだと思います。
デジタル機器が高機能化・多機能化する現代において、あえて機能を分離し、それぞれの専門性を追求するライフスタイル。iPhone Airのシングルカメラを通して、新たな可能性への「扉」として活用してみてはいかがでしょうか。
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