9月9日に発表された「iPhone Air」は史上最薄となる約5.6mmという驚異的な薄さを実現した画期的なデバイスですが、この圧倒的な薄さの代償として、背面に1つのカメラしか搭載していません。大画面モデルである従来のPlusモデルが搭載していた超広角カメラは廃止され、約4800万画素の「Fusionカメラ」が1基のみという構成になっています。
この仕様を見て「ハイエンドスマホとしては物足りない」と感じる人も多いでしょう。確かにiPhone 17 Proのトリプルカメラと比較すれば、撮影の自由度は明らかに劣るし、Galaxy S25やPixel 10といった、iPhone Airと同クラスのAndroidスマホと比べても、なお物足りなさを感じます。
しかし、あえてこの制約を受け入れてみることで、新しいライフスタイルに踏み入れるきっかけになるかもしれません。
筆者のメインスマホはiPhone 15 Proですが、カメラロールを振り返るとスクリーンショットや書類、そしてちょっとした共有用の写真ばかりで、ほとんど写真を撮っていません。
今回はiPhone Airのシングルカメラに物足りなさを感じる人に向けて、筆者が実践する「スマホからカメラ機能を分離するスタイル」をいくつかご紹介します。
元も子もない話ではありますが、カメラ性能を補完する最も実用的な選択肢がカメラ性能に特化したスマートフォンをサブ機として持つことです。
筆者が使っているサブスマホは「Xiaomi 14 Ultra」です。Leicaと共同開発した4眼カメラシステムを搭載し、メインカメラには1型の大型イメージセンサーを採用しているため、幅広い撮影体験を実現できます。
サブスマホを持つメリットはスマートフォンとしての機能を使い分けできる点です。iPhoneでは体験できないAndroid限定のサービスやアプリを利用できる他、仕事用とプライベート用といった複数アカウントの使い分けも容易になります。
ストレージとバッテリーが別であることも大きなメリットです。ストレージに関して、筆者は最もコスパの良い最低容量モデル(iPhone 15 Proの場合は128GB)を買うのですが、そのせいでいつもカツカツで運用することになってしまっています。
そのため、iPhoneはメインスマホとしてサクサク動くために最低限のアプリと仕事で使うものを入れ、サブスマホのXiaomi 14 Ultraで容量を食う写真、スマホゲーム、電子書籍などをダウンロードして利用するようにしています。
バッテリーに関してもサブスマホにゲームやマップアプリのナビなど、バッテリー消費の激しいものを振り分けることで、余裕を持って運用できています。
一方でデメリットも存在します。最も大きな問題は荷物の増加で、ほとんどの人が懸念する点でしょう。特に薄型軽量をうたうiPhone Airのために2台目のスマホを持つようでは本末転倒です。
筆者の場合はサブスマホというよりかはスマホ機能を持ったカメラだと思っているので許容できています。実運用ではiPhoneはポケットに、Xiaomiはカードケースを兼ねたスマホショルダーに格納することで、荷物感を解消しています。
とはいえ、このあたりは人によって異なる哲学を持つことになるでしょう「スマホを2台持つなんてありえない」という気持ちもよく分かります。
維持費という観点でも2回線分の費用がかかる点もデメリットです。特に2025年のiPhoneはeSIM専用になったため、デバイス間での回線交換が面倒になることは容易に想像できます。
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