達人が選ぶ「2025年を代表するスマホ」 ハイエンド/ミッドレンジで厳選した5機種を語り尽くす(2/3 ページ)

» 2025年12月27日 06時00分 公開
[井上晃ITmedia]

太田氏:eSIMのみ対応でバッテリー持ちを伸ばしたiPhone 17を高評価

・推薦機種(ハイエンド)……Galaxy Z Fold7、Xiaomi 15T Pro、iPhone 17、arrows Alpha
・推薦機種(ミッドレンジ)……AQUOS sense10

太田百合子 太田百合子氏

 ハイエンドのGalaxy Z Fold7は、“薄さ&軽さ”のインパクトが強烈でしたね。GalaxyシリーズはAI機能に力を入れていて、各社がその活用方法を模索している中で、「AIエージェント」にいち早く取り組んでいたことも印象的でした。まだ実用レベルに達しているとはいえませんが、ユーザーの窓口にAIを据えることへのチャレンジは、将来性を含めて評価しています。

 Xiaomiについては、Ultraシリーズと悩みましたが、昨年(2024年)の「Xiaomi 14 Ultra」の時の方がインパクトは大きかったかな。今年は「Xiaomi 15T Pro」の方が、約11万円と手頃で、上位のUltraと比べて7万円以上の価格差がある反面、バランスがよく、ライカカメラの良さを楽しめるように仕上がっています。

 iPhoneシリーズは、iPhone Airに新しさを感じたものの、「売れていない」という報道を見る限り、ユーザーは薄さよりもバッテリー持ちを選んだのだと思います。「iPhone 17」シリーズはeSIMのみの対応になったことで、バッテリーの持ちがよくなっていて、中でもスタンダードなiPhone 17のバランスがいいと思いました。Apple Intelligenceは発展途上ですが、AirPodsシリーズとの連携で使う「ライブ翻訳」が面白い。ANCで会話中の外部音を適宜下げるだけなのですが、そういうユーザーに寄り添った使い勝手のよさはAppleのうまいところだなと感じます。

iPhone 17 バッテリーの持ちが向上して完成度が高まったiPhone 17

 arrows Alphaは丈夫さがうたわれていて、今年は実験室もメディアに公開されました。「壊れない」ということは、「長く使える」ということ。一方でAI機能にも注力しています。これからブランド力が伴ってくれば、もっと伸びていくという気持ちもあって選びました。

 今年はミッドレンジの区分けが値段だけではなかったので、悩みつつですが、やはりAQUOS sense10を挙げました。機種としてバランスがいいのはもちろんですが、保護ケースの選択肢が多かったり、ジーンズやスニーカーブランドとのコラボレーションが実施されていたりと、デザイン戦略と合わせた周辺機器展開がうまかったことを評価しています。

山根氏:Nothing Phone (3)のAI機能とCMF Phone 2 ProのFeliCa搭載を評価

・推薦機種(ハイエンド)……Nothing Phone (3)、Galaxy Z Fold7、arrows Alpha、POCO F7 Ultra
・推薦機種(ミッドレンジ)……CMF Phone 2 Pro

山根康宏 山根康宏氏

 今年(2025年)はNothingを評価したいですね。「Nothing Phone (3)」とNothing Phone (3a)では、情報収集を1つの画面に集約してAIでまとめるという「Essentialスペース」機能が、使ってみると結構便利でした。メモとして使うスクショなど、日々蓄積する情報の扱い方に関して、解決を示してくれました。

 例えば、同じAI機能でもGalaxy AIの「Now Brief」が“その日の状態”をユーザーに示唆してくれるという方向性なのに対して、Nothingは集めた情報をちゃんと整理させてくれるので、ユーザーメリットを感じやすかった。

 デザインについても、背面のライティングをやめて、あえてドットパターンにしたことも評価したい点です。例えば、AppleのiPhoneシリーズなどは、成功体験があったり、ブランドの顔を変えられなかったり、「iPhone 12」の頃からずっとデザインを変えられていませんよね。でもNothing Phone (3)は、ズバッと遊び心のあるレトロ系のデザインに変えてきた。「これは楽しい端末だぞ」と思いましたね。

Nothing Phone (3) 従来機から背面デザインを変更してきたNothing Phone (3)。情報の整理に役立つEssentialスペースは、2025年に追加された新機能だ

 Galaxy Z Fold7はもう言うことない。私は昨年、本体を薄くした「Galaxy Z Fold Special Edition」を使っていましたが、今年はそれよりも薄くなったので、やはりGalaxy Z Fold7に買い換えました。それでスマートフォンを3台くらい持って歩いているときに、手探りでポケットの中のFold7を探して、どれがフォルダブルなのか分からないくらいだった。もう「普通のスマートフォン要りますか?」というサイズ感になっていますね。

 arrows Alphaに感じたのは、かつての新生シャープが海外で通用する機種を展開し出した頃の印象に近いですね。これなら海外の家電量販店に置いてあっても通用するだろうな、と。価格設定を踏まえても、スペックのバランスもいいし、独自のセンサーもこだわっている。地下室の施設を見せてもらった際にも、限られた予算の中で手を抜かずに地道にやっていることが伝わってきました。私としては珍しく、arrowsシリーズが、とてもいいマシンだと思いました。

 「POCO F7 Ultra」は、Snapdragon 8 Eliteを搭載して10万円を切るという戦略的な価格で出してきたことに、Xiaomiのイケイケ感が現れていました。

 ミッドレンジに関しては、最初AQUOS sense10がバランス的に一番いいかなと思いましたが、もう少し変化球を投じたかったので、Nothingの廉価シリーズである「CMF Phone 2 Pro」を選びました。こちらは低価格モデルでありながらもFeliCaを搭載してきて、ちゃんと日本でも売ろうと考えていると感じられた1台でした。

島氏:iPhone 17のAI機能やAQUOS sense10のカメラが面白かった

・推薦機種(ハイエンド)……iPhone 17、Xiaomi 15 Ultra、arrows Alpha
・推薦機種(ミッドレンジ)……AQUOS sense10、Pixel 9a

島徹 島徹氏

 ハイエンドモデルの背面カメラが、広角(5000万画素)+超広角(5000万画素)+望遠(5000万画素)で横並びになってきたこともあり、こうなってくると“単体のデジカメ”として使いたくなる画質の機種が欲しいな、と思えてきたところ。そこを差別化したXiaomi 15 Ultraは面白い機種だったと思います。望遠の品質はもちろん、軽視されやすい広角と望遠の画質も別のカメラでフォローしており、うまかったですね。

 iPhone 17は世間の評価通り、高いスペックと価格のバランスがいい。一方で、個人的に評価しているのはAI機能の方です。「AppleはAIで遅れている」という評価が多いですけれど、ローカルの端末としてはメールアドレスを問わずにAI処理を使える他、iOS 26からは自動化処理のショートカット機能にChatGPTを組み込めるようになりました。例えば、カメラ撮影やテキストから取り込んだ情報から予定だけ抜き出して、文脈や内容に応じてカレンダーやリマインダーへと登録するといった、複雑な処理も自然言語で簡単に作成できます。Webアプリ連携も含めて可能性は広く、スマホを活用するという部分では今のところ一番面白い端末だと思います。

 arrows Alphaは、個人的にはミッドレンジとして挙げました。ミッドレンジモデルに超急速充電とか、512GBストレージとか、マニアが喜ぶハイエンドの機能を突っ込んだところ、ビジネスや一般の人にとってもすごく便利に仕上がったと思います。あらためて、通話中の周囲の雑音を切る機能も便利。今は外出先での仕事も当たり前になる一方で、駅で落ち着いて電話や会議をするのに15分300円くらいの防音ワークスペースに入るような時代ですからね。ただ、デザインがどの層に向けたものなのかがピンとこないという印象です。個人的には、もう少しモトローラのEdgeシリーズに近いとうれしいですね。

 ミッドレンジで挙げたAQUOS sense10はカメラに注目していまして、撮っていて新たに搭載された「平成ポップ」とか「昭和レトロ」などの絵作りが気に入りました。中国メーカー製モデルのカメラは、絵作りやフィルターが中国のSNSでウケやすいライカ風や、コントラストや彩度がやや高めものが多い印象です。iPhoneもシネマ風に立体感や影を強調しがちで、明るく撮りたい人にはカメラのフォトグラフスタイル設定の操作を勧めています。

 AQUOS sense10は、ミッドレンジでありながらセンサーサイズが大きく、日本っぽい絵作りが選択でき、新しくフィルターは雑多な街中などでレトロデジカメのような感覚で楽しめました。スマホ全体のカメラ画質が上がっており、カメラブランド協業の意味合いもカメラ性能の保証から絵作りに変わりつつあると感じています。そろそろライカだけでなく、日本でも富士フイルム、GR、PENTAXなど、特徴的な絵作りを持つ日本メーカーとのコラボモデルも期待したいです。

AQUOS sense10 ミッドレンジ機として安定の完成度を誇るAQUOS sense10。島氏はカメラのフィルター機能を高く評価した

 Pixel 9aは入れるかどうか迷いました。ですが、今年(2025年)は生成AI普及の年だったことと、標準アプリの優れたAI機能とGeminiを連携して活用できるPixelシリーズは外せません。ただ為替の問題もあり、価格は気になるところです。生成AIの時代では、有料のGemini対応プラン契約をもとに、Pixel 6a(当時5万3900円)ぐらいの価格で購入できるような仕組みがあると面白いのでした。

 あと、今年は「Nothing Phone (3a) Community Edition」のデザインが衝撃的でした。もっと個性的なデザインの端末が増えてほしいですね。入手できないので、購入機会が限られており、ノミネートには入れませんでしたが……。

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