AIによる補正の度合いが分かりやすい高倍率望遠時の比較も見ていこう。今回はiPhone 17 Proの最大である40倍に合わせる形で比較した。なお、Pixel 10 Proは生成AIによる補正オフの作例で比較する。
望遠撮影時のAI補正という点では、iPhone 17 Proはやや控えめだ。最大倍率での撮影でも、補完よりも「光学レンズでの描写」を優先している印象で、GalaxyやPixelのようにAIでディテールを“再構築”する処理は行わない。
その結果、遠景の看板文字などはやや甘く見える一方で、人工的な輪郭強調が少なく自然な描写を得られる。それでも、ノイズ処理などはしっかり行うので、メモや拡大鏡などの用途には十分な性能を持つ。
Galaxy S25 Ultraは100倍望遠が可能なだけあり、望遠の処理はさすがといったところ。塗りつぶし感はあるものの、テキストの補正精度やノイズやディテール処理は上手だと感じられる。
Pixel 10 Proもきれいに撮影できるが、補正処理はGalaxyの方が優秀に思える。レンズが明るいこともあり、高倍率望遠時もシャッタースピードを稼ぎ、手ブレしにくい点はうれしい。
Pixel 10 Proは生成AIを用いた「超解像ズーム Pro」を利用でき、ディテールの補完などに利用している。実際にオリジナルの写真と比較してもノイズを抑え、ディテールが補完されていることが分かるが、バス停の表記のような「おかしな補正」をすることもある。写実性を求める場面では、求める結果にならない場合があるので注意が必要だ
これまで、ズーム性能の高いスマホといえばAndroidスマホという構図が定番だったが、iPhone 17 Proの登場でそのバランスは変わりつつある。
今回の比較の通り、iPhone 17 ProではGalaxy S25 UltraやPixel 10 Proといったズーム性能が高い機種と並ぶ望遠カメラを手に入れ、これらを相手に「健闘」するレベルにまで至った。
さらなる高倍率やズーム時のディテールの補正のうまさはGalaxyやPixelに引けを取るものの、iPhone 17 Proは多くのシーンにおいて十分すぎる性能を手にしていることは事実だ。むしろiPhoneに並ばれてしまった以上、各社は望遠カメラの差別化が急務になると考える。
カメラハードウェアで先行する中国勢では、Xiaomi 15 Ultraのような2億画素の望遠カメラでズーム時の劣化を抑えたり、大型のイメージセンサーを採用して暗所撮影を強化したりする機種が登場している。
最短撮影距離が10cm前後の望遠マクロ撮影をはじめ、撮影体験の幅を広げる構成とした機種も登場している。特殊な事例では、Huaweiの「Pura 80 Ultra」の切り替え式ズームレンズなども含め、10万円を超える価格帯では全体的にハードウェアで差別化を図っている。
また、Xiaomiはライカ、vivoはZEISS、OPPOはハッセルブラッド、realmeはリコーと協業してカメラのチューニングや撮影体験を磨き上げるなど、単なるハードウェアの強化以外の部分でも差別化を図っている。
望遠性能を求めてAndroidを選ばなければならない時代は、終わりを迎えつつあると感じた。iPhone 17 Proは、「ズーム性能でも戦えるiPhone」として、次のスマホカメラ競争の幕が開けたといえる。
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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