経済圏やコンビニ、金融で世界をリードする日本のキャリア――「ガラパゴスをコンサルティング」で世界進出を狙えるか:石川温のスマホ業界新聞

» 2026年03月15日 17時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 MWCを取材し終えて毎年感じるのが「日本って本当にガラパゴスだな」ということだ。

 今回、楽天グループの三木谷浩史会長が基調講演を行っていたが、キャリアは通信サービスからエコシステムの構築を行うべきと説いていた。具体的には「SubscriptionからMembership」「ARPUからEcosystem GMS」にシフトすべきだという。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2026年3月7日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 確かに日本のキャリアはすべてエコシステム、いわゆる経済圏の戦いになっている。特に楽天グループは経済圏を構築した上で、通信事業に参入しているだけに、経済圏の規模が違いすぎる。

 三木谷会長の主張は最もなのだが、「じゃあ、海外のキャリアが楽天グループを真似できるか」といえば、かなりハードルが高い。

 ただ、リワードプログラムなどに限定すると、すでに楽天グループは海外の企業に展開しているという。

 KDDIのブースで目立っていたスマートシティも、日本で高輪ゲートウェイシティで展開しているような、JR東日本とガッツリ組んで展開するようなことを海外キャリアが真似できるかと言えば、かなり首をひねりたくなってくる。

 また、ローソンのようなコンビニを買収して、リテールに乗り出すという海外キャリアもほとんど聞いたことがない。

 MWCという場なだけに、日本のキャリアは日本における通信以外の取り組みを今後も根気強く伝えていくべきだろう。

 三木谷会長「本当は楽天シンフォニーを売りたいが、経済圏について聞かれることが多くなった」とぼやいていた。

 MWC会場には世界の名だたるコンサルティング会社がブースを出していた。世界のキャリアからすれば、5Gへの投資がかさむ一方、マネタイズができてないことが課題だったりもする。だからこそ、コンサルティング会社の出番なのだが、彼らには「実績」がまるでない。

 そんななか、KDDIは海外のキャリアに対して経済圏の構築やネットワーク運用などをコンサルティングする事業に乗り出した。

 実際、KDDI傘下でモンゴルの通信会社であるMobicomでは、プリペイドユーザーが減り、ポストペイドユーザーを増やしたことで収益を上げたという実例があったりする。

 世界的にはプリペイドユーザーを多く抱えるキャリアが大半であるため、こうしたノウハウはかなり需要があると言えるだろう。

 これまで日本企業の世界進出といえば、海外の企業を買収するとか、技術を輸出するというのが一般的であった。

 日本のキャリアを見ていると「ガラパゴスのコンサルティングで世界進出」というのも、あながちあり得るのではないだろうか。

© DWANGO Co., Ltd.

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