「日本で前年比4倍成長」のNothing、次の一手は? au販路拡大と楽天の“すみ分け”に見るキャリア戦略(2/3 ページ)

» 2026年05月26日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

2025年は日本市場で前年比4倍の成長 店舗網をどう伸ばすかが重要

―― 昨年は楽天モバイルとのパートナーシップで業績も拡大しました。カール・ペイ氏は国内で4倍の成長と言っていましたが、まさに急成長といえるのではないかと思います。

黒住氏 4倍は大きいですね。年単位で見ると、確かに24年から25年で4倍に伸びています。これは、いわゆるネットレベニューと呼ばれるもので、キャリアさんが取る分の利益を除いた数字が4倍になりました。大きなチャネルが楽天モバイルさんしかなく、チームも小さくてマーケティングにもそこまでお金をかけられない中、4倍まで伸びるほど多くの方に知っていただけたのは、大きな成果です。

 ただ、これに今年はKDDIさんが乗ったからといって、8倍になるかというとそうはいきません(笑)。4倍を継続するというよりも、日本ではプロダクトをできる限り多くの方に買っていただけるようなインフラ作りが大事になります。われわれのようなプレイヤーは、どう伸ばしていくか。やはりお店に行くという行動パターンのお客さまは依然として多いと考えています。オンライン販売全体も伸びてはいますが、結果的にかなりの部分をけん引しているのがAppleさんですから。

―― 初めてのNothingとなると、やはり買う前に実機に触れてみたい人も多いと思います。

黒住氏 KDDIさんのポイント(Pontaポイント)を持っていて、離れられないという方もいます。こういうものが出たというのを伝えるにはいいと思います。実際、手に取ってみると親しみやすい端末だと思います。製品写真はデザインドリブンということもあり、そこを強調した形になっていますが、ものを見たときの印象として、デザインがとがっているだけでなく、持ってみてもいいとなるかもしれません。

カメラの望遠需要とマクロ需要は大きい

―― 今回のPhone (4a)と(4a) Proは、どちらも望遠カメラが売りの1つになっています。

黒住氏 望遠需要とマクロ需要は大きいですね。コンピュテーショナルフォトグラフィーを強化したウルトラズームを入れたことで、140倍(Phone (4a) Proの場合)でもキレイに撮れます。とはいえ、望遠には絶対トレードオフがあります。70倍(4a)や140倍(4a Pro)のようなズームにはAIを使って精度を上げていますが、それでもマックスまでズームするとどうしてもノイズが多かったり、意図しないものが出たりする可能性もあります。それがなくても、処理の中で白っぽくなってしまうのも避けられない。

 ただ、ここまでズームできる実力値があることで、20倍ぐらいで撮ったときの画質が上がっています。光学の部分でも、ロスレスでズームできるところをしっかり強化しているからです。マクロに自動で切り替わる機能も入っています。これが、ズーム機能をつけることのもう1つのメリットで、近くのものをより近くで撮るというのは、ソーシャルメディアをやる方にも求められています。

Phone (4a) Pro Phone (4a) Proは最大140倍ものデジタルズームに対応する

―― Nothingと言えばデザインだったり、背面のGlyphだったりの独自性が一番の特徴だと思いますが、カメラ性能を求める声は大きいのでしょうか。

黒住氏 カメラはGiven(当たり前のもの)です。スマホを買うとき、昔ならカメラ性能は「あったらいいよね」だったのが、今は「なければいけない」ものになっています。普段の生活においても、ソーシャルにおいても、撮ることは大切なコミュニケーションツールの1つ。いいなと思ったものを撮る喜びはありますし、共感を得たいという強い思いもあります。そのような中で、カメラをないがしろにする選択肢はないですね。

 カメラは積み重ねです。ソフトウェアとハードウェアの組み合わせでできるもので、1回出してしまうと、あとはソフトウェアでしか改善ができません。今回は、アップグレードを重ねてクオリティーを上げる、土台としてのものが出せたと考えています。

Phone (4a) Pro 黒住氏が実際にPhone (4a) Proの望遠カメラで撮影した富士山。雪が積もっている様子もしっかり描写できている

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月26日 更新
  1. ダイソーで550円の「マグネット式ノートパソコン用スマートフォンホルダー」は磁力も強くて優秀だった (2026年05月23日)
  2. 値上げのY!mobile、旧プランから「シンプル3」に変更すべき? 5月中の“救済措置”を見逃すな (2026年05月25日)
  3. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  4. 「手書き」より「キーボード」を望む子供たち スマホ・PCが変えた文字入力の歴史と、今こそ見直したい手書きの価値 (2026年05月24日)
  5. ソニー、AIカメラアシスタントが売りのXperia 1 VIIIを発表――公式Xアカウントはなぜ大炎上したのか (2026年05月24日)
  6. なぜ? 「Rakuten WiFi Pocket 5G」販売再開も、Rakuten Linkは利用できず 理由を楽天モバイルに聞いた (2026年05月23日)
  7. 「私のデータ、AIの学習に使われる?」LINEの新機能「Agent i」の疑問をLINEヤフーに聞いた (2026年05月25日)
  8. なぜ「ドコモの障害」と誤解されたのか? 19日に設備障害が起きたMVNOに確認して分かったこと (2026年05月22日)
  9. 【ワークマン】2500円の「ベーシックアンカーリュック」 多様なシーンで使える容量24Lの収納力 (2026年05月24日)
  10. 「値上げ」は悪手ではない? KDDIとソフトバンクの“価値競争への転換”から見える勝ち筋 (2026年05月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年