MNO最大手であるドコモが、ホワイトレーベルとして回線を提供するインパクトは大きい。影響を受けそうなのが、こうした事業に活路を見いだしていたMVNOだ。最近では、先に挙げたIIJmioのJALモバイル以外にも、MVNE専業のミークがホワイトレーベルに特化したミークモバイルを立ち上げたり、オプテージのmineoがMVNO支援サービスの「MVNO Operation Kit」を提供したりと、異業種を取り込む動きが活発化していた。
特にJALモバイルで個人向け回線も復調していたIIJにとって、JALモバイル powered by ahamoは第2の“ahamoショック”になってしまうかもしれない。ahamoショックとは、ドコモが2021年にahamoを低料金で導入したことで、MVNOの伸びが止まった状況を指す。各社とも、ahamoに対抗すべく値下げを余儀なくされた他、主戦場がahamoと差別化しやすい小容量プランに固定化されてしまった。
ギガプランの導入やそれを活用したJALモバイルの導入で反転攻勢をかけていたIIJに、再びahamoの波が押し寄せようとしているのは皮肉な話だ。西田氏は、「IIJmio版のプランをにわかにいじることは考えていない」というものの、ahamoとデータ容量のかぶりが大きい25GB以上のプランは、獲得が減ってしまう恐れはある。小容量プランだけにユーザーが集まれば、収益性は悪化する。
また、現在、JALモバイル powered by IIJmioで中・大容量プランを選んでいるユーザーが、同じJALモバイルのahamoに乗り換える可能性もある。サブ回線として契約していたJALモバイル powered by IIJmioをahamoに一本化してしまう動きも出てくるかもしれない。IIJはもちろん、ホワイトレーベルに活路を見いだしていた他のMVNOにも、間接的な影響はありそうだ。
一方で、ドコモがどこまでホワイトレーベルとして回線を提供するかが見通せない部分もある。日本航空の場合、JAL NEOBANKやdポイントなどで既に連携していた実績があり、経済圏での重なりもあるため導入のゴーサインは出しやすかったはずだ。ただ、ネットワークサービス以外を全て自前やドコモ以外のサービスで完結している企業に、回線だけを提供できるかは未知数といえる。
坪谷氏も、「経済圏(の拡大)そのもの自体にブレーキをかけるわけではない」としており、ドコモとして、dポイントを軸にした経済圏は依然として重要視していることを示唆した。座組によっては、提供が難しいこともありそうだ。この点では、大きな経済圏を持たないMVNOの方が身軽に動ける。MVNOとして、いかにキャリアと差別化していくかも生き残りの鍵になりそうだ。
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