HUAWEI Pura X Maxは、折りたたみスマートフォンの新たな方向性を示した1台だと実感した。Galaxy Z Fold7やOPPO Find N6のような、展開時に2台のスマホを並べたような縦長フォルムで「複数のアプリを使うマルチタスクを重視するデバイス」に対し、Pura X Maxは展開時の大画面で動画視聴やゲームといった「スマートフォン向けコンテンツを大画面で消費すること」に主眼を置いた機種と評価できる。
その意味では既存の折りたたみスマホよりも、「折りたたんでポケットに入るタブレット端末」という位置付けに近い。Appleの折りたたみスマホは「iPad miniを折りたたんだものに近い」という予想も納得がいく。
一般ユーザーが「広げたら大画面になるスマホ」に求めるものを考えてみると、真っ先に浮かぶのは写真や動画を大きな画面で見たいというタブレット的な用途だろう。Pura X Maxはまさにその部分にフォーカスを当てた設計だ。展開時の画面比率や長辺の長さもスマートフォンに近いため、WebやアプリといったスマホコンテンツがあふれるiOS/Android中心の環境に対し、最も理にかなった折りたたみの形といえる。
ただし、折りたたんだ状態でのブラウジングやアプリ操作は、縦方向が短い関係でやや窮屈さを感じる場面もあり、この点をどう割り切るかで評価が分かれるところだ。
完全に新しいジャンルの機種ながら、完成度の高いデザイン、軽快な操作性、期待を裏切らないカメラ性能は、Huaweiが培ってきた技術の集大成ともいえる仕上がりだ。HarmonyOSのアプリ環境は中国以外での使い勝手に制約がある点は留意が必要だが、それを差し引いてもこのフォームファクターが持つ可能性は大きい。
閉じてスマホ、開いてタブレット。折りたたみスマホの黎明(れいめい)期から語られてきたアピールポイントに対し、横方向に長いこの形は、消費者が最も大画面を実感しやすい。過去に30機種以上の折りたたみスマホを触ってきた筆者から見ても、一度手にした瞬間にその合理性を納得させられた。
Pura X Maxが提示する「横長の折りたたみ」という解答は、今後の折りたたみスマホ市場に多様性をもたらす存在となるだろう。もしAppleやサムスンがこのフォームファクターを採用するのであれば、折りたたみスマホの「正解」はこの形に収束していくのかもしれない。
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
Huawei、パスポート型の横長折りたたみスマホ「Pura X Max」 閉じると5.4型、開くと7.7型に
新感覚の折りたたみ「HUAWEI Pura X」レビュー 開くとまるで“ファブレット”のサイズ感、動画も大画面で楽しめる
幅92mmの「HUAWEI Pura X」は“令和のズルトラ”? 「Xperia Z Ultra」と実機比較、折りたためるファブレットだ
Appleの折りたたみ「iPhone Ultra」のうわさ最新まとめ 発売は12月以降で価格は40万円超えか
3つ折りよりも2つ折り Huaweiで最も人気の「Mate X7」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.