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2015年の世界スマートフォン出荷、Windows端末不調もあり初の1桁成長に──IDC予測調査リポート

» 2015年12月07日 09時33分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米調査会社IDCによると、2015年通年の世界スマートフォン出荷台数の伸び率は前年比9.8%と、同社が調査を開始して以来初めて1桁台に留まるという。IDCが12月3日(現地時間)に予測を発表した。

 総出荷台数は14億3000万台。同社は8月に前年比10.4%増という予測を発表したが、日本を除くアジア太平洋地域、中南米、西欧での予想以上の減速やWindows搭載端末(IDCは「Windows Phone」と表記)の不調を理由に下方修正した。2014年の伸び率は前年比27.7%増だった。

 ここ数年急成長してきた中国市場が成熟し、今後数年間の伸び率は1桁になるという。

 Windows Phoneの出荷台数は、2014年の3490万台から10.2%減となる見込み。OS別市場シェアは前年より0.5ポイント減の2.2%という。出荷減速の主な原因はOEMによる支援欠如とIDCは指摘する。Microsoftは10月に「Windows 10 Mobile」をリリースし、現在米国などでオリジナルのWindows 10端末(「Lumia 950」および「Lumia 950 XL」)を販売している。

 IDCは、Windows Phoneの伸び率は2016年も減少し、今後数年間はシェアが伸びる見込みはないとしている。2019年の予測シェアは2.3%だ。

 Windows Phone以外のOSについては、市場シェアのトップはAndroidで、前年比0.3ポイント減(ほぼ横ばい)の81.2%。中国のCyanogenやXiaomiなどによる独自ROMの拡大が今後も続き、Androidの圧倒的な市場シェアは当面安泰とIDCは予測する。

 米AppleのiOSのシェアは1ポイント増の15.8%。出荷台数の伸び率は17.3%と2桁台だ。同社にとっての向こう2〜3年の課題は、新興国市場で販売する中古iPhoneの在庫超過とIDCは指摘する。Appleは2015年、1年ごとに新しいiPhoneに買い換えられるプログラム「iPhone Upgrade Program」を米国で立ち上げた

2015年と2019年のOS別世界スマートフォン市場予測(出荷台数の単位は百万台)
順位 OS名 2015年出荷台数 2015年市場シェア(%) 2015年出荷伸び率 2019年出荷台数 2019年市場シェア(%) 2019年出荷伸び率 向こう5年間の複合年間成長率(%)
1 Android 1,161.1 81.2 9.5 1,538.1 82.6 4.8 7.7
2 iOS 226.0 15.8 17.3 263.4 14.1 3.1 6.5
3 Windows Phone 31.3 2.2 -10.2 43.6 2.3 11.4 4.5
その他 11.3 0.8 -16.8 17.1 0.9 6.5 4.7
合計 1,429.8 100.0 9.8 1,862.3 100.0 4.7 7.4
(資料:IDC)

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