プリインストールされたWindows Vista Ultimateは、初期状態でAero Glassが有効になっており、半透明表示の綺麗なデスクトップ表示はもちろん、フリップ3Dも快適に動作する。Windows エクスペリエンスのスコアは3.1だが、これはゲーム用グラフィックスが足を引っ張っているだけで、簡単に言えば現時点ではヘビーな3Dゲーム以外は余裕でこなすパフォーマンスだ。
PCの総合パフォーマンスベンチマークであるPCMark05でも4000に迫るスコアを記録。また、試しにFFベンチを行ったところ問題なく完走し、結果はLowで5158、Highで2816。性能的にはHighの1024×768ドットでも快適に動作するポテンシャルを持つ。日常的なPC利用においてストレスを感じることはないはずだ。
実際に試用してもストレスを感じることはほとんどなかった。ガジェットを表示しつつ、表計算データを複数開き、Windows Media Playerで1440×1080ドットのWMV-HDファイルを再生する、といった状態でもフリップ3Dはサクサク動作するし、フリップ表示されている動画もスムーズに再生される。バッテリーモード(動作モードの設定はバランス)でもこの印象はほとんど変化しない。
今回は試用機ということでドライバが間に合わず、指紋センサーを使えなかったが、従来モデル向けのドライバが2月中旬リリース予定なので早々に利用可能になるはずだ。Webサイトの情報から確認する限り、従来(WindowsXP)と同様、Windowsへのログイン認証やWebサイトへのログイン認証などに利用できると思われる。TPMチップはWindows Vista UltimateのBitlockerに対応しているので、暗号キーの保存用にUSBメモリなどを併用せずとも、ドライブ単位での強力な暗号化機能を利用できる。ビジネスユースを視野に入れるなら、この点も1つのポイントになるだろう。
本機の印象を正直に述べると、ハードウェア的には従来機「NA701」をほぼそのまま受け継いでいるため、確かに新鮮味はないかもしれない。しかし、いまなおスペックに古くさい部分はまったく見受けられず、すでにハードウェアとして十分な実績を積んだ製品という見方もできる。つまり、安心して購入できる製品とも言えるのだ。
ほかのノートPCを眺めれば、2スピンドルのA4スリムでSXGA+ディスプレイを搭載し、さらにほぼ2キロに収まる重量の製品は少ないことに気付くだろう。そのうえ、フルBTOが可能なマシンとなると、該当機種はほとんど見あたらないはずだ。Windows Vistaを堪能できるパフォーマンスを備え、かつモバイルでも活用できるノートPCを探しているのなら、本機を選択肢の1つに含めたい。
ちなみに同社が2月19日まで展開しているキャンペーンでは、メモリの増設価格が大幅に値引きされている。例えば、1Gバイトの増設で1万5750円という価格は店頭販売のメモリと比較してもかなりリーズナブルだ。Windows Vistaを快適に利用したい人はこのキャンペーンも要注目だ。
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