デル初の地デジ内蔵モデル「XPS One Blu-ray搭載 デジタルTVパッケージ」を試す :Blu-rayドライブも入ってます(2/2 ページ)

» 2008年04月23日 17時17分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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地デジPCとしての使い勝手は?

 では、地デジPCとしての使い勝手はどうだろう。XPS Oneの発表時に「BTOで対応」とのコメントがあったため、地デジチューナーはノートPCと同様にUSB接続の外付けユニットでの提供かと思われたが、実際には地デジチューナーモジュールをきっちり内蔵してきた。地デジチューナーの提供元は明らかされていないが、デバイス名が「GV-DTV/HE」、ドライバがアイ・オー・データ機器製となっており、アイ・オー・データ機器からOEM供給を受けたもののようだ。

 地デジ用のソフトウェアはCyberLinkの「TV Enhance」で、ほかのPCベンダーでの採用例も多い定番ソフトウェアの1つ。単体起動も可能だが、Windows Media Centerから視聴画面や電子番組表を直接呼び出すこともでき、TVとしての日常的な操作はほぼリモコンで行える。TV機能は起動から画面が表示されるまで20〜25秒程度は待たされるが、これはソフトウェアでデコードを行うことなどを考えれば、やむを得ないところだ。

地デジ機能のCyberLink TV Enhanceは、単体起動だけでなくWindows Media Canterからも呼び出せ、操作が可能だ(写真=左と右)

 とはいえ、いったんソフトウェアが起動してしまえば特にストレスを感じずに操作可能で、チャンネル切り替えに要する時間は2秒程度と単体の薄型TVと同程度になる。録画番組の再生は1.2/1.4/2倍の早見が音声付きで、音声なしでは4/8/16/32倍速の早見/早戻し再生が行える。番組表や録画番組の一覧性はあまり高くはないが、スクロールの速さでカバーする。逆に、データ放送の表示切り替えや操作に対するレスポンスの早さは、いかにもPC的でかなり俊敏だ。

 録画予約は電子番組表からも行え、スリープや休止状態からの録画予約の実行も可能だ。録画予約はTV画面および音声出力なしで行われ、録画完了後のスリープ、休止状態への移行は視聴ソフトウェアが実行するわけではなく、Windowsの電源設定がそのまま利用される。

電子番組表は新聞のラテ欄タイプで5列表示だ(写真=左)。常にサブチャンネルまで表示されるため一覧性が高いとは言い難い。ただし、スクロールは液晶TVやレコーダーと比較すれば速い。録画番組は1画面7番組表示になる(写真=右)。番組表と同様にスクロールは高速だ。録画日時が一覧からは把握できない点が気になった

使用したBluetoothヘッドフォンは、ソニーのDR-BT21G。SCMS-Tにも対応しており、地デジの音声も問題なくワイヤレスで楽しめた。もちろん音楽再生時なども含めすべての音声をヘッドフォンから出力できる。スタックはWidcomm製でSkype連携機能もサポートしている

 なお、録画番組はHDDに保存するのみで、DVDメディアへはもちろんBDメディアにもムーブは行えない。従って編集機能なども一切なく、この辺りは明白に割り切りが必要な部分だ。また液晶ディスプレイの解像度は1680×1050ドットとまずまずの解像度でデジタル放送のシャープな画質を再現してくれるが、発色は淡白でいかにもPCディスプレイ的だ。筆者手持ちの液晶TVと比較すると、最も発色を抑えた「ゲームモード」の画質に近かった。国内ベンダーのようにTVとしての画質にそれほどこだわっているわけではなく、本機はあくまでPCに地デジの視聴とHDDへの録画機能を備えたもの、と思うのが正解だろう。

 付加的機能となるが、本機ではBluetoothヘッドフォンで地デジの音声を楽しめた。リップシンクまでサポートするわけではなく、若干の音声の遅れは気になるが、ワイヤレスでクリアな音質を実現したメリットのほうが大きい。ノートPCと異なり内蔵のメリットが格段に大きいとまでは言えないが、内蔵されていれば使う気にもなる、というのも事実だろう。

ライトな3Dゲームユースまでこなす必要十分な性能

評価機のWindowsエクスペリエンスインデックス画面

 最後に、本機のパフォーマンスをチェックした。Windowsエクスペリエンスインデクッスは、一番低いサブスコアがグラフィックスの3.6だった。CPUやHDDは5を超え、メモリも4.8とWindows Aeroを含めてWindows Vistaの快適動作には十分なパフォーマンスを備えている。PCMark05でも5000に迫るスコアで、一般的な利用であればまず不満は出ないはずだ。

 3DMark06は1352と決して高いスコアではないが、ライバル機に多いチップセット内蔵グラフィックスと比較すれば、3D描画能力は十分にパワフル。FFベンチも高解像度で3000を超えており、最新のFPSなどは無理だが、3Dゲームも比較的ライトなものであれば十分に楽しめるだろう。液晶一体型PCとしては必要十分の性能と言えそうだ。

左からPCMark05、3DMark06(1280×1024ドット)、FFベンチのテスト結果

シンプルにPCを使いこなしたい人に魅力が多いモデル

 液晶一体型PCは、人気のジャンルとして国内ベンダーの多くが手がけている。それらがPC本体を土台にし、その上に液晶ディスプレイを載っけましたといったデザインになりがちな中、本機のように液晶ディスプレイそのもののようなデザインを採用しているのは数少ない。無論、デザインに関しては好き嫌いがあると思うが、デザインが本機の分かりやすい魅力である点に疑問はないだろう。ACアダプタ仕様ではない点も評価すべきポイントだ。付属ソフトウェアに関しては直販ベンダーらしくほぼ必要最低限だが、そのぶんは価格に反映されているし、この点を好ましいと思う買い替え層もそれなりに多いはずだ。

 すでに述べたが、地上デジタル放送を楽しむには少々物足りない画作りが惜しまれる。液晶ディスプレイの発色に関しては、あえて液晶TVなどと比較しない限り気にならない人もいると思うが、BDドライブ搭載モデルにおいても録画番組を光学メディアに残せない点を気にする人は多いのではないだろうか。ハードウェアの課題ではないと思うので、この点は是非改善を望みたい。なお、ダビング10対応についても現時点で未定とのことだ。

 価格に関しては、「デジタルTV プレミアムパッケージ」で16万9800円、「Blu-ray搭載 デジタルTVパッケージ」で24万9800円と、デルらしい圧倒的なコストパフォーマンスは影を潜めている。とはいえ、後者はOffice Personal 2007+PowerPoint 2007が付属するなど買い得感は十分に高く、同価格帯の競合製品と比較すればハードウェアスペックは充実している。スタイリッシュな液晶一体型PCが欲しいけど、プリインストールソフトウェアが山盛りというのはちょっと苦手、といったシンプル派に本機はほどよい選択肢となるだろう。

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