個人的にはWindows XPの海賊版が初期状態で導入されるかも!と、ゆがんだ期待をしてしまったが、実際には「中標普華Linuxデスクトップ版」なるOSが入っていた。加えてLinux起動後に「中標普華Office」というオフィスソフトがインストールされていることも判明。パッケージの中には、中標普華Linuxと中標普華Officeで使うシリアル番号も添付されている。Webにも説明書にも、PC-88002に用意されているソフトウェア情報が記載されていないあたり、ソフトウェアが重視されていない中国らしい。
ただ、実際のところ、中国におけるLinuxの“立ち位置”というのは「ユーザーによって海賊版Windowsが導入されることを想定した“カモフラージュ”」であったりする。キーボードのFnキーと組み合わせてボリュームコントロールや動画再生のコントロールなどが行えたりOfficeスイーツが用意されていたりと、中標普華Linuxだけでもそれなりに使えるように機能がそろえられているが、この状態で使い続けることは、やっぱり難しい。その理由は「とにかく重い」ことだ。Linuxというと「初心者には難しいが、非力なPCでも動く」イメージがあるが(実際はディストリビューションによりかなり異なる)、malataのPC-88002と中標普華Linuxデスクトップ版の組み合わせでは、起動時間が非常に長くかかり、かつ起動後ももたついて、とてもじゃないが実用的とはいえない。
「これは我慢ならん!」というわけで、手持ちのWindows XP Home Editon(正規版ですぞ!)をインストールしてみた。PC-88002に標準で付属する「Windows XP用」ドライバCDを利用して問題なく導入できたのちに、Service Pack3を適用して改めて起動してみると、中標普華Linuxのときの鈍重さがうそのように、快適に動いてくれた。Geode LXの動作クロックが500MHzと遅いため、「Windows XPでも快適に動くのだろうか」と心配していたが、Webブラウジングや、メール、文書作成なら問題はない。ちなみに、工人舎の「KOHJINSHA SA」もCPUはGeoge LXでWindows XPがインストールされている。


起動すると「中標普華Linuxデスクトップ版」のデスクトップが表れた(写真=左)。製品に同梱されていた中標普華のLinuxとOfficeのシリアル番号が書かれた紙(写真=中央)。LinuxとLinux用のOfficeのライセンスが添付する一方で、マニュアルではWindowsの説明が記載され、WindowsXP用ドライバCDもついてくるせっかくレアなGeoge LX搭載ノートPCなので、ベンチマークの定番「PCMark05」を動かそうとするも、解像度が足らないという理由で動作せず。しかも、外部ディスプレイを接続してみても800×600ドット以上の解像度は設定できない有様だ。一応Geoge LXの実力を垣間見るため、HDBENCHとCristalDiskMarkの結果を紹介しておく。
というわけで、「Windows XPを導入すれば」普通に低価格ノートPCとして使えるmalataの「PC-88002」は、一見すれば「お、Eee PCですか?」と言われそうなスタイルとしているだけに、筆者は話題作りのためにしばらく携帯してみようと思っていたりする。
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