“TWKR”なPhenom IIの6GHzオーバーデモを“kwsk”解説(1/2 ページ)

» 2009年06月30日 19時52分 公開
[長浜和也,ITmedia]

オーバークロック前提だから動作クロックは非公開

 日本AMDが、6月30日にライブデモを公開した「Phenom II X4 42 Black Edition TWKR」(以下、Phenom II TWKR)は、AM3に対応したクアッドコアCPUで、定格の動作クロックとHyperTransport転送レートは非公開だが、それ以外のスペックは現在販売されているPhenom II X4の900番台と同じだ。動作クロックが非公開なのは、オーバークロック用に作られているため、特定の数値が与えられていないからだ。

説明会で披露されたPhenom II TWKRのケース(写真=左)と内部にあったPhenom II TWKRの本体(写真=右)。ケースは金属製でロック機構付き。ヒートシンクに刻印された「Not for Sale」がこのCPUの特殊性をうかがわせる

 日本AMDマーケティング本部の土居憲太郎氏は、Phenom II TWKRについて、「エンジニアリングサンプルで、Phenom II X4 955 Black Editionよりオーバークロック耐性の高いもの」と説明したほか、このCPUが企画された理由では「意識の高いオーバークロッカーにPhenom II X4 955 BE以上の性能を試してもらうため」と述べている。ちなみに、“42”は、クアッドコアの“4”と、初期設定における動作クロックである“2”GHzから付けられた番号で、“TWKR”は“Tweaker”(ツイーカー)からそれぞれ付けられている。

 特定ユーザーに使ってもらうことを目的とするため、生産されたのはごく少数で、全世界でも100個程度しか用意されていない。そのうち、「日本に来たのは7個」と土居氏は述べている。

 説明会では、OVERCLOCK WORK(アントラック)の渡邉光比呂氏によるPhenom II TWKRのオーバークロックデモが行われた。筒状水槽タイプのクーラーユニットに液体窒素を流し込んで行われたオーバークロックの実演では、倍率と駆動電圧を徐々に上げていく手法で、4.8GHz(200MHz、倍率24倍)から5.5GHz(200MHz、倍率27.5倍)、6GHz(200MHz、倍率30倍)と上がっていき、最終的には6.3GHz(200MHz、倍率31.5倍。ただし1コアのみ)のオーバークロックに成功した。

Phenom II TWKRを使ったオーバークロックの実演を行ったOVERCLOCK WORKSの渡邉氏(写真=左)。Phenom II TWKRは液体窒素や液体ヘリウムを使った冷却が実行できるユーザーに限って、性能を検証してもらうために配布された。日本AMD本社で行われた実演では液体窒素によるオーバークロックが行われた(写真=中央)。事前に行われたオーバークロックでは6.5GHzまで成功したことがCPU-Zの画面で紹介された(写真=左)

オーバークロックの実演では、「K10stat」というユーティリティを使ってコアごとのクロックを設定し、BIOSで駆動電圧を調整した。動作クロックの値はCPU-Zで確認している。CPU-Zはver.1.51を使っているが、Phenom II TWKRに対応していないので、CPU名称が「Opteron 1342(文字化け)Black Edition」、開発コード名が「Shanghai」と表示されてしまう。左から4.8GHz動作、5.5GHz動作、5.6GHz動作のそれぞれで表示させたCPU-Zの情報

同じように、左から5.7GHz動作、5.8GHz動作、5.9GHz動作時のCPU-Z

6GHz動作が確認された状態のCPU-Z(写真=左)。その後、OSの挙動が怪しくなってストレージ(SSD)を変更(写真=中央)、最終的に6.3GHzまでオーバークロックが成功した(写真=右)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月10日 更新
  1. 「次世代Apple Intelligence」をフル活用するにはどのような条件がある? 「Siri AI」は日本で使える? 知っておくべき対応モデルのハードル (2026年06月09日)
  2. 「macOS 27 Golden Gate」が2026年秋に登場 初のApple Silicon専用バージョンに (2026年06月09日)
  3. 実売1万円切りでパススルー給電にも対応! KTCの15.6型モバイルディスプレイ「H15F9」は“買い”か (2026年06月09日)
  4. 初のカラー対応「Kindle Scribe Colorsoft」の実力は? 通常モデルとの価格差1万7000円の価値を検証 (2026年06月10日)
  5. 「Geminiの技術は使うが、Geminiではない」 WWDC26で見えたApple流AIとプライバシー戦略の核心 (2026年06月10日)
  6. Apple Siliconはなぜ「オンデバイスAI」に強いのか? NVIDIA「RTX Spark」との比較で読み解くシリコン設計の哲学 (2026年06月08日)
  7. 高騰中のSSD、品薄のHDD──けれど“最終処分”のニーズは変わらず (2026年06月06日)
  8. ミニPCに強みの「MINISFORUM」 ミニワークステーションの新モデルから「謎の拡張カード」まで多彩な製品を披露 (2026年06月10日)
  9. 新GPU「RX 9070 GRE」搭載カード発売! 既存上位モデル「RX 9070 XT」との価格差に悩む声も (2026年06月08日)
  10. コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた (2026年06月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー