臨時休業となったBLESSの秋葉原本店は、建物の外から店内を見た限り、店内の電気は消えて、人影も確認できなかった。入り口は閉められ、ドアに張り紙がしてある。その張り紙には、「諸般の事情により、平成21年9月29日限り、廃業の止む無きに至りましたので」という告知が、ブレスの代表取締役社長、鳥飼油務氏の署名でされていた。
告知によると廃業は9月29日となっているが、情報が明らかになったのが30日昼ごろだったためか、まだ、店頭に人が押し寄せてくるという状況ではなかったが、それでも、流通関係者や、近くのショップスタッフ、それに、ニュースを知って訪れるPCユーザーなどが訪れては、ドアの張り紙を確認して立ち去っていった。
同じビルの1階にはGENOのアウトレットショップが入居しているが、期末ということもあって棚卸のため閉店しており、30日13時時点で、特に混乱は見られない。
なお、張り紙にはこの件の問合せ先として、都内の法律事務所が記載されているが、取材を試みたところ、14時時点で連絡は取れていない。そのため、負債の規模や今後の対応については、現在のところ不明だ。
「BLESS」は1996年から営業してきたPCパーツショップの老舗で、現在の場所に移転する前は、中央通りと神田明神通りが交わる「秋葉原の一等地」に店舗を構えていた。自作PCユーザーでなくとも、グリーンに白いロゴの「BLESS」の看板を記憶に残っている秋葉原ウォーカーも多いのではないだろか。BLESSが多くのPCユーザーにも支持されていたことは、平日にもかかわらず、ニュースを知ったPCユーザーが店頭を訪れたことが示されている。
BLESSの経営状況については以前から危惧されていたため、流通関係者の中には今回の事態をある程度予測していたという。しかし、BLESSを訪れたPCショップスタッフが「USER'S SIDE以来の激震だっ」と思わず口にしたように、名物のPCショップがまた1つ消えたことは、自作PCユーザーと流通関係者に大きな衝撃を与えるだろう。
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