モバイルPCにとって重要なポイントの1つ、バッテリー駆動時間も計測した。テストにはバッテリー駆動時間計測ソフトのBBench 1.01(海人氏作)を使用し、10秒ごとにキーボード入力、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11g)によるインターネット巡回(10サイト)を行うように設定している。
省電力設定の違いによるバッテリー駆動時間の差を確認するため、今回はLOOX Uの省電力設定を3段階に変えてテストを行った。1つ目の設定は電源プランが「バランス」で液晶ディスプレイの輝度が最大、2つ目の設定は電源プランが「バランス」で液晶ディスプレイの輝度が40%、3つ目の設定は電源プランが「省電力」で液晶ディスプレイの輝度が28%だ。
さらに、3つ目の設定では独自の省電力ユーティリティも併用し、無線LAN以外のデバイスは省電力設定を適用にした。具体的には、音声がミュート、WiMAX、Bluetooth、メモリカードスロット、有線LANが無効、リフレッシュレートが40Hz(32ビット色)の設定となっている。
テスト結果は、バランス+輝度40%の設定で2時間弱の駆動時間だった。省電力設定を活用することでバッテリー駆動時間は15分程度延ばせたが、標準バッテリーは2セルで容量が小さいこともあり、劇的な効果は見られない。また、スペックの違いによるバッテリー駆動時間の差はわずかだった。
モバイルでの活用を考えると、少々心細い結果ではあるが、オプションとしてLバッテリーが用意されていることに注目したい。標準バッテリーの容量は7.2ボルト 1800mAh、公称の駆動時間は約4時間だが、Lバッテリーの容量は7.2ボルト 3800mAh、公称の駆動時間が約7.8時間となる。したがって、Lバッテリーを装着すれば、このテスト結果の2倍程度まで駆動時間を延ばせるだろう。
ただし、標準バッテリーの代わりにLバッテリーを装着すると、ボディの厚みは約7.8ミリ増の約31.6ミリになり、重量も約117グラム増の約612グラムに増える点は覚えておきたい。LOOX Uがウリとするポケットに入るサイズの本体を維持したまま、バッテリー駆動時間を改善したいならば、標準バッテリーのスペアをいっしょに持ち歩くのも手だ。
小型軽量なPCで気になりがちなボディの発熱もチェックした。動作中のLOOX Uを樹脂製のデスクに置き、ボディ表面の温度を放射温度計で計測した。計測条件は、ACアダプタに接続し、Windows 7の起動から30分間アイドル状態で放置した場合と、そこからシステムに高い負荷がかかるPCMark05のCPUテストを30分間実行し続けた場合の2パターンだ。
LOOX Uの電源プランは「バランス」、液晶ディスプレイの輝度は最大、ワイヤレス通信機能はオン、音量は半分(ヘッドフォン接続)とした。スクリーンセーバーはオフにし、アイドル状態から一定時間経過しても液晶ディスプレイの表示やSSDの電源がオフにならないように設定している。
ボディの温度は、キーボードの左半分/右半分、スティックポインタ、左右のクリックボタン、ボディ底面の左半分/右半分を計測した。各部で最も高温になる部分を探して、温度を計っている。テスト時の室温は約24度だ。
計測結果を見ると、アイドル時ではCPUクロックの低いU/G90のほうが低温だったが、高負荷時ではなぜかCPUクロックの高いU/G90Nのほうが低温になり、アイドル時より冷えた部位もあった。これは内蔵ファンの制御が大きく影響しており、U/G90Nは高負荷時にファンが勢いよく回転することで十分に冷却され、結果として温度が下がったものと考えられる。
今回テストした限りでは、極端に発熱する部位はなく、高負荷時でもボディ全体の温度があまり上がらないため、両手で抱えて操作している最中に不快な熱を感じることはなかった。総じて、放熱性に不満はない。
次のページでは、放熱性にもかかわる騒音レベルを計測する。
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