Windows 7の各種動作に要する時間をストップウォッチで計測した。計測したのは、Windows 7の起動、スリープへの移行と復帰、休止状態への移行と復帰、シャットダウンの各動作にかかった時間だ。Windowsの起動時間は電源ボタンを押してから「ようこそ」画面が出るまでの時間と、デスクトップ画面が表示され、あらかじめスタートアップに登録しておいたテキストファイルが起動するまでの時間の2段階で計測した。
LOOX Uの設定は基本的にデフォルトで、ACアダプタを接続した状態だ。各動作時間にはバラツキがかなりあるので、計測は10回以上行い、異常な数値が出た場合はそれを排除してから平均値を算出している。
結果は右のグラフに示した通りで、CPUが高速なU/G90Nのほうが全体的に高速だった。実際の操作感についても、Atom Z520(1.33GHz)搭載のU/G90はWindows 7やアプリケーションの動作がやや緩慢なのに対し、Atom Z550(2.0GHz)搭載のU/G90Nではかなり改善される。店頭でU/G90に触れてみて、遅いと感じるならば、カスタムメイドモデルでCPUグレードを迷わず上げることをおすすめしたい。
もっとも、コンパクトボディのLOOX Uでは、一般的なPCのようにすばやくタッチタイピングしたり、高速かつ正確にマウスポインタを操作したりと、サクサク使うことは難しい。ある程度使い慣れても、キーボードの入力はミスしないよう気をつけながら行うことになるほか、本体を両手で持って親指入力する場合は入力速度がもっと下がる。また、ドットピッチの狭い画面をよく狙ってタッチしたり、ポインティングデバイスを細かく操作する必要があるので、ユーザーの操作もゆったりした速度になりがちだ。そのため、Atom Z520(1.33GHz)の多少のんびりしたレスポンスでもさほど気にならない場合もある。
なお、デフォルトの状態ではスティックポイントを押下したことで左クリック動作になるプレス機能が過敏に反応し、操作ミスを誘うため、この機能はオフにしたほうがいいだろう。同時に、ポインタの速度を少しだけ下げると、小さなボタンやメニューを選択しやすくなる。また、クリック方法は「ポイントして選択し、シングルクリックで開く」に設定されているが、慣れないうちは「シングルクリックで選択し、ダブルクリックで開く」に変更したほうが操作ミスを防げるはずだ。
外出先などでメディアプレーヤーとして活用することを想定し、動画再生能力についてもチェックした。まずはWindows 7標準のWindows Media Player 12で1080pのWMVファイル(マイクロソフトの公式サイトで配布しているWMV高精細コンテンツ)を再生したところ、CPUクロックが高いU/G90Nではたまにコマ落ちする程度で大きな問題もなく視聴できた。U/G90はたまに映像がつかえることもあるが、内容は確認できるレベルだ。
次にビデオカメラで撮影した1080i/1440×1080ドットのAVCHDファイルをWindows Media Player 12で再生したところ、U/G90Nでは少しコマ落ちするが十分視聴できた。U/G90も同じ傾向で視聴に大きな問題はない。AVCHDファイルの再生ではCPU負荷率が低く抑えられており、Intel GMA 500によるH.264の再生支援機能が効いていると思われる。ちなみにCPU負荷率の画面は掲載していないが、MPEG-2のSD映像は2台ともスムーズに再生できた。
次に、YouTubeやニコニコ動画のコンテンツ視聴も試してみた。YouTubeでは、480pの動画ならば実用レベルで視聴できるが、720pや1080pのHD動画は映像も音声も途切れてしまうことが多く、再生が困難だった。ニコニコ動画については、標準的な画質の動画はそこそ見られるが、コメント数が多いと再生がつまづきがちだ(特にU/G90ではその傾向が大きい)。コメント数が膨大な動画や高画質の動画は再生がかなり厳しい。
なお、LOOX Uが搭載する1280×800ドット表示の5.6型ワイド液晶ディスプレイは、輝度とコントラストが十分確保されているうえ、ドットピッチが非常に狭いため、動画をかなり精細に表現できる。発色は少しだけ緑がかっており、光沢液晶パネルへの映り込みも多少あるが、視野角がかなり広いので、ラフな姿勢で画面をながめるように見ても視野角の狭さは気にならない。ミニノートPCの液晶ディスプレイとしては、解像度、画質ともにかなり健闘している。
次のページでは、バッテリー駆動時間とボディの発熱を調べる。
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