デルの“一味違う”低価格モバイルノート――「Inspiron M301z」を駆る“Nile”という新しい選択肢(2/3 ページ)

» 2010年06月04日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

13.3型ワイド液晶の解像度は1366×768ドットと必要十分

 13.3型ワイド液晶ディスプレイの表示解像度は1366×768ドットに対応する。Windows 7登場後は標準的な表示解像度として多くの製品で使われているように、Windows 7を操作するうえで必要十分な作業領域が得られる。

 バックライトには冷陰極管に比べて省電力、長寿命な白色LEDを採用している。液晶ディスプレイの表面は光沢仕上げのため、照明などが画面に映り込みやすいが、表示は鮮やかでコントラストもしっかりあり、表示品質自体はなかなかのものだ。

 視野角はこのクラスのTN液晶パネル搭載ノートPCとしては標準的で、特に上下方向が狭い。ヒンジの角度は130度程度とあまり開かないため、上からのぞき込むような場合に少し見づらい場合があるが、ヒザの上でちょっと使うくらいであれば特に問題はない。

1366×768ドット表示の13.3型ワイド光沢液晶ディスプレイを装備する
液晶ディスプレイのヒンジの角度は130度程度開く

余裕あるサイズのキーボード、3本指操作が可能なタッチパッドを装備

フルピッチのキーボードはEnterやBackSpaceの右側にキーが並ぶが、モバイルノートPCとしては使いやすい

 キーボードは主要キーを含めてほとんどのキーで19(横)×18(縦)ミリのキーピッチを確保しており、ゆとりがある。Enter、BackSpaceの右側にPgUP、PgDnなどが並ぶ配列は一般にミスタイプを誘うが、Inspiron M301zの場合はEnterキーのサイズが実測で26〜30(横)×35(縦)ミリと大きいため、その右までには指が届きにくく、誤ってPgUPやPgDnを押してしまうことは少なかった。

 指紋が付きにくいよう加工されたパームレストは奥行きが約98ミリと広く、キーボードユニットの取り付けもしっかりしていて、たわみなどもほとんどない。スイッチの反発は個人的にわずかに強めに感じるものの、おおむね良好だ。このサイズのモバイルノートPCとしては、全体的にかなり打ちやすいキーボードを備えているといえる。

 なお、最上段のキーは、標準では画面の輝度調整や無線通信機能のオン/オフ、メディア操作などに割り当てられており、F1〜F12のキー入力はFnキーとの同時押しで行なう必要がある。最近の低価格ノートPCではよく見られる仕様だが、F1〜F12を使ったショートカットなどを多用するユーザーにとっては扱いにくい。BIOSセットアップでキー割り当ての入れ替えが可能なので、好みに応じて設定し直すといいだろう。

タッチパッドのサイズは約96(横)×51(縦)ミリと広々としている

 キーボードの手前側には2ボタン式のタッチパッドを装備。シナプティクス製の多機能ドライバが導入済みで、マルチタッチジェスチャー機能をサポートする。

 具体的には、2本指を一緒に上下/左右に動かすことによる縦/横スクロールのほか、2本指の開閉でズーム/パンを行う「つまみズーム」、2本の指を置いた状態から1本を軸にしてもう1本を回転させるようになぞることで画像などの回転を行う「回転」、3本指でパッドを弾くような動作をすることでページ送りや写真送りなどを行う「強く弾く」といった機能が標準で有効となっている。

 タッチパッドは滑りのよい素材が使われているうえ、サイズも広く確保されているため、マルチタッチジェスチャーでの操作もしやすい。ただし、左右のクリックボタンはストロークが浅く、スイッチの位置も少し下にあるため、頻繁に使うと疲れる印象だ。

 なお、キーボード最上段の右寄りにはタッチパッドの有効/無効を切り替えるボタンが用意されている。キーボード入力中は無効にしておけば、タッチパッドに触れてしまっても誤動作を防げる。

2ボタン式タッチパッドは、マルチタッチジェスチャーに対応したシナプティクス製ドライバが導入されている。各機能の細かい設定や無効化などはユーティリティソフトで行なえる

パフォーマンスは、CULVノートPCにプラスアルファか?

 今回入手した機材のスペックは、CPUがTurion II Neo K625(1.5GHz)、チップセットがAMD M880G(ATI Radeon HD 4225)、メモリが2Gバイト(2Gバイト×1/PC3-6400 SO-DIMM)、HDDが250Gバイト(5400rpm)、Bluetooth 2.1+EDR、64ビット版Windows 7 Home Premiumという構成だ。

 直販サイトにBTOのベースモデルとして用意されている「ベーシックパッケージ」のCPUをAthlon II Neo K325(1.3GHz)からTurion II Neo K625(1.5GHz)に変更した構成に近い(評価機のほうがHDD容量が少ない)。この構成で各種ベンチマークテストを実行してみた。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 Windows 7のWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右に示した通りだ。グラフィックスのサブスコアが3.7と少し低めだが、それ以外は4以上のサブスコアをマークしており、Windows 7の日常操作は快適に行なえる。ゲーム用グラフィックスのサブスコアが少しよいほかは、Core 2 Duo SU9400(1.4GHz)を搭載したCULVノート上位機種と似たようなスコアだ。

 PCMark05のスコアもやはり同じような傾向だ。Core 2 Duo SU9400(1.4GHz)搭載機に近いが、Graphicsでは比較的よいスコアをマークしている。Intel GS45 Express内蔵のグラフィックスコア(Intel GMA 4500MHD)よりもAMD M880Gのグラフィックスコア(ATI Radeon HD 4225)のほうが、描画性能が高いということだろう。

 描画性能の違いは、3DMark06やFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアにも現れている。どちらにしても本格的な3Dゲームのプレイが難しいことには変わらないが、FF XIのようなオンラインベースで描画負荷の低いゲームならば、十分楽しめるだけの性能は備えている。

PCMark Vantage(1024×768ドット)のスコア
PCMark05のスコア

3DMark06(1280×768ドット)のスコア
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコア

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