約6万円のマルチタッチ対応ミニノートPC――「Eee PC T101MT」を攻略するNetbookの一歩先へ(3/3 ページ)

» 2010年08月04日 11時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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パフォーマンスはNetbookクラス、バッテリー駆動時間はまずまず

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右に、各種ベンチマークテストの結果は下に掲載した。Atom N450を搭載したNetbookとしては標準的なシステムであり、スコアもスペックから予想される通りだ。グラフィックスとCPUが低いスコアとなっている。

 超低電圧版のCore 2 DuoやCore iシリーズを搭載したCULV系のノートPCと比べると、使用感が劣るのは否めないが、慣れてしまえばストレスを感じるほどではない。実際、Windows 7 Starterを導入した一般的なNetbookと比べて、レスポンスの違いなどは特に気にならなかった。

PCMark05(アナログRGBで出力)のスコア
3DMark06(1024×600ドット)のスコア
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコア

 バッテリー駆動時間のテストは、海人氏作のBBench 1.01で行なった。Windows 7の電源プランは「バランス(ディスプレイの輝度40%)」にセットし、20秒間隔でキーストローク、120秒間隔でWeb巡回を行う設定でテストしたところ、駆動時間は4時間14分(バッテリー残量6%)だった。公称値の約5.4時間には少し及ばないものの、モバイルノートPCとして実用的に使える駆動時間といえる。

 ボディの発熱については、室温28度と高い環境でもパームレストが熱いという感覚がなく、キーボードが多少じんわりと温かく感じる程度だった。ただ、高負荷をかけた状態では底面の左側が43.5度と高く、ヒザの上で使い続けるのは少々厳しい。

 暗騒音33デシベル/室温28度の環境で、PC本体正面の5センチ前方と近い距離から騒音レベルを計測し、動作時の静音性も調べてみた。静かな部屋ではアイドル時でもファンが回転する音が聞こえるほか、HDDのアクセス音が少し大きめで気になることがあった。もっとも、エアコンやほかの家電機器などが動作しているような環境ではほとんど分からない程度で、高負荷時でも騒音レベルが大きく上がることなく利用できた。

発熱テストの結果
騒音テストの結果

低予算で入手できるコンバーチブル型のミニノートPCとして要注目

 T101MTの標準価格は6万2800円となっており、5万円台半ばから後半で販売しているショップも少なくない。ジャストB5サイズのボディで重量は約1.3キロ、常時無線LAN接続環境において実測4時間以上のバッテリー駆動時間を確保し、ボディの発熱や騒音もうまく処理できている。さらにWindows 7 Home Premiumをプリインストールしていることや、使い勝手に優れたタブレットPC関連機能を備えていることを考えれば、十分納得できる価格設定だ。

 標準的なNetbookクラスの性能と、液晶ディスプレイの表示解像度が狭い点を許容できるかどうかが選択の分かれ目になりそうだが、この価格帯でこれだけバランスよくまとまったタッチスクリーン搭載ミニノートPCはなかなか見当たらない。回転式の液晶をはじめ、タブレットPC関連機能に魅力を感じるのであれば、有力な購入候補として浮上してくるだろう。

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