Intelは、Sandy Bridgeのラインアップや各モデルの仕様について明らかにしていないが、少なくとも、アーキテクチャはローエンドからハイエンドまで、まんべんなくニーズをカバーできるようだ。また、Turbo Boost Technoloyの“伸びしろ”は拡大し、細かい電力制御が可能になった省電力技術など、ハイエンドPCとモバイルノートPCという、求められるものが両端になるCPUとして耐えうる性格をSandy Bridgeは有することになる。
Intelが投入した過去のCPUでは、Nehalemが当初ターゲットとしていたのは、サーバ、またはハイエンドPCの分野で、WestmereはローエンドPC、またはモバイルノートPCの分野といったように、特定の分野に強みを持たせるようにしていた。しかし、Sandy BridgeはノートPCとデスクトップPCの両方を視野に入れており、動作クロックの設定や搭載するコアの数によって、ローエンドからハイエンドまで幅広くカバーできる。現時点では不明だが、Sandy Bridgeはクアッドコア以上への拡張も比較的容易で、比較的早い時期に6コアや8コアのようなモデルが登場することも十分に考えられる。


Sandy Bridgeの特徴である「リングバス」で接続されたキャッシュメモリのメリットとしては、GPUコアが遅いDRAMアクセスを行う回数を削減できることと、電力消費や処理効率が向上することが期待できる。供給される電源は、ブロック単位で管理されるなど、CPUとGPUのダイが分かれていたWestmere世代より優れている
IDF 2010で紹介されたSandy Bridgeの特徴をまとめると、パフォーマンスと省電力の両面でメリットがあることが分かる。パフォーマンスが必要なデスクトップPC、バッテリー駆動時間が重要となるノートPCと、方向性の違う2つのカテゴリにとって同時にメリットとなる“欲張りな”アーキテクチャといえるだろう
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