温かくなってきたころ、街の話題は6コアCPUに集まっていた。3月半ばにインテルの6コアCPU「Xeon W3680」と最大12コアまで達したAMDの「Opteron 6100シリーズ」といった、サーバ/ワークステーション向けのCPUが出回っており、月末にはコンシューマー向けの6コアCPUを待ち望む熱気が最高潮に達した。
そして4月初旬に、まずはインテルから「Core i7-980X Extreme Edition」が登場。10万5000円前後と高価なモデルながら購入者が殺到し、長らく入手困難な状況が続いた。Core i7-980X Extreme Editionは3.33GHzの6コアCPUで、12MバイトのL3キャッシュを内蔵している。2010年末時点でも、インテルのコンシューマー向けCPUの最高峰に君臨するモデルだ。
AMDの6コアCPUはしばらく先の入荷とみられていたが、ゴールデンウィーク初日の4月29日に3.2GHz動作の「Phenom II X6 1090T Black Edition」と、低格2.8GHz動作の「Phenom II X6 1055T」が、滑り込みでデビューした。順に3万5000円前後と2万2000円前後で、6コアモデルとしては格安の値段からヒット。
クレバリー1号店は「たくさん入荷したので連休中は余裕だろうと考えていましたが、予想以上の売れ行きで、どちらも品薄になりそうです」と話していた。なお、Phenom II X6 1055Tは6月に早くも新リビジョンが登場。従来のTDP125ワットから95ワットに下がり、以降半年近くも“ゴゴティー”の愛称で定番人気を保った。
そうした盛り上がりがありながらも、街が6コアCPU一色とならなかったのは、6コアCPUと同時期にNVIDIAの新GPU「GeForce GTX 480」と「同GTX 470」を搭載するグラフィックスカードが出回ったからだ。
GeForce 400ファミリーはGeForceで初めてDirectX 11に対応した世代で、GTX 480はハイエンドに位置づけられる。初回入荷の価格はGTX 480カードが6万円前後で、GTX 470カードは4万円前後だった。ただし、人気と入荷数の少なさから、GTX 480が潤沢に買えるようになるのは、下位GPU「GeForce GTX 465」搭載カードが出回る6月まで待たなければならなかった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.