普段に増して往来が激しくなった大型連休中のアキバだが、暦上の初日となる4月29日に、AMDのコンシューマー向けCPUで初の6コアタイプとなる「Phenom II X6」が登場した。上位の「Phenom II X6 1090T Black Edition」は3万5000円前後で、下位の「Phenom II X6 1055T」は2万2000円前後。「連休中に売り切れないくらい大量に入荷できたと思います」(ツートップ秋葉原本店)とのコメントが多く、初回から潤沢に出回ったようだ。
Phenom II X6の2モデルは製造プロセス45ナノメートルで作られており、ともに合計6MバイトのL3キャッシュを搭載する。Socket AM3に対応し、TDPは125ワット。6コア中3コア以上がアイドル状態のときに稼働中のコアのクロックを引き上げる「Turbo CORE」機能を搭載しているのが特徴で、定格3.2GHzの1090T Black Editionは最大3.6GHzに、定格2.8GHzの1055Tは最大3.3GHzまで高速化する。なお、1090T Black Editionはクロック倍率の変更が可能だ。
昨年8月に「Phenom II X4 965 Black Edition」が登場して以来、AMDではおよそ9カ月ぶりのハイエンドCPUということもあり、多くのショップで初日から好調に売れていた。ソフマップ秋葉原本店は「インテルの6コアCPU『Core i7-980X』の3分の1以下の値段で買えますからね。同価格帯でみても、Core i7-860より高い性能が期待できる場面は多いですし、つっこみどころなしに優れたCPUだと思いますよ」とほめちぎっていた。
また、自身もAMDマシンを使い続けているという某ショップ店員氏は「Phenom II X4 965もAMDの中ではハイエンドだったけど、載せ替えで劇的に進化するようなインパクトは全然なかった。現実的な価格で最強を狙えるという意味で、Phenom II X6の存在感は非常に大きい。衝撃度でいったら、Phenom IやIIが登場したときより強くて、デュアルコアCPU競争で盛り上がった『Athlon 64 X2』(2005年5月登場)以来というくらいかも。とにかく、今まで眠っていたハイエンド系のAMDユーザーが冬眠から覚めたのは間違いないでしょ」と喜んでいた。
2モデルの売れ行きでは、上位の1090T Black Editionのほうが好調というショップが多かった。ただし、6コアCPUでダントツで最安となる2万2000円前後の1055Tも匹敵する売れ行きがあるとの声も少なくない。T-ZONE.PC DIY SHOPは「AMDにしては珍しく初回からかなり大量に出してくれたので、(途中で再入荷できない)連休中に向けてたっぷり入荷しました。でも、1090T Black Editionは3日で売り切れてしまいましたね。1055Tもちょっと危ない。街全体で入手困難とまではいかないでしょうけど、連休後半はいくつかの店舗を回らないと買えなくなるかもしれませんね」と語る。
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