「AMDユーザーが冬眠から目覚めたようです」――6コアPhenom IIが大型連休にヒット：古田雄介のアキバPickUp！（2/4 ページ）

[古田雄介＆ITmedia アキバ取材班，ITmedia]

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「AMD 890FXマザーはPhenom II X6より品薄」――AMD 890FX／880G／870マザーも登場！

ASUSTeKのAMD 890FXマザー「CROSSHAIR IV FORMULA」（左）とAMD 880Gマザー「M4A88TD-V EVO/USB3」（右）。価格は順に3万円前後と1万5000円前後だ

　Phenom II X6と同時に、最新のAMD 8シリーズに属するチップセットを搭載したマザーボードも各社から登場した。チップセットは3種類で、上位から「AMD 890FX」「AMD 880G」「AMD 870」となる。搭載マザーの価格は1万7000円から3万円強、9000円前後から1万5000円前後、1万円前後から1万3000円前後だ。在庫はAMD 890FX搭載マザー以外が潤沢となっている。

　AMD 890FXはグラフィックスチップ非搭載のチップセットで、PCI Express x16レーン2本や、x8レーン4本によるCrossFireに対応しているのが特徴だ。AMD 880Gはすでに発売されているAMD 890GXの下位にあたるチップセットで、内蔵グラフィックスチップの性能が一段下がる仕様となっている。さらに、AMD 870は880Gからグラフィックスチップを省いた構成だ。3チップセットともに、AMD 890GX同様、SATA 3.0に対応しており、USB 3.0については独自のチップを積むなどして対応しているモデルが多い。また、BIOSアップデートなしでPhenom II X6が搭載できるようになっている。

　各マザーはASUSTeKやMSI、ギガバイト、ASRock、FOXCONNから登場しており、特に人気があるのはAMD 890FX搭載マザーだった。同マザーで最も安いASRock「890FX Deluxe3」は1万7000円から2万円で販売されているが、入荷したドスパラ秋葉原本店では即座に売り切れていた。「ダントツで安かったのが大きいですね。グラフィックスカードを利用するならAMD環境ではAMD 890FXが最強になるので、待っていた人も多いと思います。大型連休の勢いにうまく乗って好調でした」という。

　ほかにも、「最強のCROSSHAIR IV FORMULAが一番人気」（パソコンショップ・アーク）、「2万4000円前後で性能と価格のバランスがとれたMSI『890FXA-GD70』の売れ行きがすごいです」（ソフマップ秋葉原本館）といった声も聞かれた。

　なお、Phenom II X6は、マザーのBIOSが対応すればAMD 7シリーズチップセット環境でも搭載できる。このため、手持ちのマザーを使いながらCPUだけ載せ替えるといった使い方もできるが、上記の新型チップセットを搭載したマザーとセットで購入するユーザーが多いという話を各所で聞いた。

　TSUKUMO eX.は「標準で対応しているというのと、今マシンを強化するならSATA 3.0対応は外せないと考えている人が多いんでしょうね。AMD 8シリーズならSATA 3.0ポートがチップセットレベルで6基使えますから、ブードドライブもデータ保存用ドライブもRAIDを組んだりできますし」と推測していた。

　それでも、AMD 7シリーズマザーなどで少しでも安く6コア環境を作りたいと考える人もいる。そうした需要を見越して、ツートップ秋葉原本店は無料のBIOSアップデートサービスを実施中だ。CPUとマザーボードをセットで購入したユーザーなら、1人1枚のみ、即日アップデートしてもらえる。これはインテル系プラットフォームも対象内だ。「一応ゴールデンウィーク限定としています。普段は5000円程度の費用がかかるサービスなんですが、幅広い選択肢のなかかから好みのマザーを選んでもらえるように実施しました」とのこと。

ソフマップ秋葉原本館のAMD 890FXマザー。「予想以上の勢いで売れて、CPUよりも在庫がヤバいです」という（写真＝左）。フェイス秋葉原本店の新製品コーナー。4月30日時点で、このうちAMD 890FXマザーはFOXCONNとMSI製の2モデルしか残っていなかった（写真＝中央）。ツートップ秋葉原本店の無料BIOSアップデートサービス（写真＝右）