メモリとHDDの仕様は標準仕様モデルの2機で共通だ。メモリはDDR3-1333(PC3-10600 SO-DIMM)に対応し、標準で4Gバイトをオンボード実装している。空きのSO-DIMMスロットが1つ用意されており、最大で8Gバイトの構成が可能だ。
4Gバイトのメモリモジュールを空きスロットに1枚装着するだけで8Gバイトできるため、最初から最大容量の8Gバイトまで増設する前提ならば、標準的な2Gバイト×2枚の構成よりも無駄が少ないというメリットがある。ただ、標準状態でメモリのデュアルチャネルアクセスが利用できない点で少し性能が制限されている部分はある(体感ではまず分からないが)。
データストレージには2.5インチSerial ATA HDD(5400rpm)を採用しており、容量は500Gバイトと十分だ。本体落下などの衝撃からHDDのデータを保護する「VAIO HDDプロテクション」機能も持つ。従来機のように落下だけでなく、転倒直前に発生する急な揺れといった予備動作についても、加速度センサーで感知して磁気ヘッドの退避を行うようになった。
さらに、VAIOオーナーメードモデルでは256Gバイト(+4万円)/512Gバイト(+9万円)/1Tバイト(+19万円)のクアッドSSD(RAID 0構成)、128GバイトのシングルSSD(+1万円)、750Gバイト(+5000円)/640GバイトのHDD(+3000円)など、柔軟なデータストレージの選択が可能だ。
なお、メモリスロットとHDDベイには底面のカバーを外すだけで簡単にアクセスできる。ソニーによると、クアッドSSDのユニットはVAIO Zと同じ独自仕様となっており、シングルSSDはカバーがない基板むき出しのタイプとのこと。もし、(メーカー保証外の行為だが)将来的にデータストレージをユーザー自身で交換したいと考えているならば、HDDを選択したほうが交換しやすいと思われる。
左側面の奥には光学ドライブを内蔵しており、上位機ではBlu-ray Disc(BD-RE)ドライブ、下位機ではDVDスーパーマルチドライブを採用している。光学ドライブなしの構成や、代わりに別のデータストレージを内蔵するといったオプションは用意されない。
通信機能はなかなか充実しており、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LAN、IEEE802.16e-2005準拠のWiMAX、Bluetooth 2.1+EDRを標準で備える。さらにVAIOオーナーメードモデルでは受信最大7.2MbpsのFOMA HIGH-SPEEDに対応した無線WAN+GPSも追加可能だ。
本体装備の端子類は右側面にまとめられており、1基のUSB 3.0、2基のUSB 2.0のほか、SDXC対応SDメモリーカードスロット、PRO-HG対応メモリースティックデュオスロット、HDMI出力など、なかなか先進的な内容だ。
液晶ディスプレイの上部にはWebカメラ(有効31万画素)、タッチパッドのクリックボタンの間には指紋センサーも装備している。VAIOオーナーメードモデルでは、セキュリティーチップ(TPM)の内蔵も可能だ。
一方、従来機にあったIEEE1394(4ピン)やExpressCard/34スロット、FeliCaポートなど、多くのユーザーの利用頻度が高くなさそうなものは省かれている。
なお、オプションとして、4ポートのUSB 2.0、2基のギガビットLAN、HDMI出力、アナログRGB出力を備えたドッキングステーション(直販価格1万9800円)も用意されている。このドッキングステーションもよく考えられており、拡張バッテリーを装着した状態でも問題なく着脱できる。
OSには64ビット版のWindows 7 Home Premiumを採用しており、オフィススィートとしてMicrosoft Office Home and Business 2010もプリインストールされる。VAIOオーナーメードモデルでは、64ビット版のWindows 7 Ultimate(+1万5000円)やWindows 7 Professional(+5000円)、Office 2010のほかのエディションも選択可能だ。
そのほか、リコメンド機能付きのメディアプレーヤー「Media Gallery」、写真や動画の管理と編集に対応した「PMB VAIO Edition」、本体の専用ボタンで起動するサポート/トラブルシューティングツール「VAIO Care」といった、VAIO独自のこだわったアプリケーション群も健在だ。
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