液晶ディスプレイにはLEDバックライトを採用しており、画面サイズは13.3型ワイド(アスペクト比16:9)、表示解像度は1366×768ドットと、Windows 7搭載ノートPCでは標準的なスペックといえる。ソニーによる液晶ディスプレイのグレードは、ミドルレンジの「VAIOディスプレイプラス」だ。VAIO Zのように、より高解像度の液晶パネルは用意されないが、表示が細かくないので、視認性は高い。
また、表面に低反射コートを施した半光沢(ハーフグレア)パネルを採用しており、映り込みがほとんど気にならない点は特筆したい。VAIO Zより反射を抑えた表面処理だが、アンチグレア独特の黒浮きもなく、引き締まったメリハリのある表示が好印象だ。液晶ディスプレイのチルト角度は約139度まで開く。従来機と比べても明らかに映り込みは低減されており、発色も良好だ。


1366×768ドット表示の13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載(写真=左)。液晶ディスプレイの角度は約139度まで開く(写真=中央)。ディスプレイは照度センサーによる自動輝度設定に対応している。有効にすると周囲の明るさに応じて最適な輝度に調整される(写真=右)キーボードはVAIOおなじみのアイソレーションキーボードを採用。アルミニウムの1枚板から成形したキーボードベゼル/パームレストからキートップのみを露出させている。キーピッチはほとんどのキーで縦横ともに約19ミリを確保している。配列も標準的な6段配列で、最下段の右側で少し細めのキーがある程度(横ピッチ約16ミリ)で、打ちにくいキーは見当たらない。
パームレストは広く(カーソルキーの下からボディの端まで約85ミリ)、置いた手が安定するのに加えて、主要キーのキートップはわずかだが中央がくぼんでおり、指が置きやすい。あえて強めにキーを押せば、中央付近でキーボードベゼルごと少し沈む感触はあるが、ほとんど気にならないだろう。キーストロークは約2ミリとアイソレーションキーボードとしては十分で、キースイッチの感触も絶妙に調整されており、タッチ感はとてもよい。
また、キーボードバックライトを内蔵しており、暗い場所で起動すると、内蔵の照度センサーが周囲の暗さを感知し、入力操作が行われると自動的に点灯する。一定時間キーボードを操作しないと自動的に消灯するため、無駄にバッテリーを消費するようなことはない。この点灯/消灯の設定はカスタマイズでき、映像コンテンツの視聴時など不要な際にはオフにすればよい。
キーボード奥には3つのワンタッチボタンがあり、それぞれ「VAIO Care」、Webブラウザ、「Media Gallery」の起動に割り当てられている。電源オフ時にWebブラウザ起動用のボタンを押すと、Windows 7を起動せず、Webブラウザをすばやく立ち上げるインスタント機能「Quick Web Access」を利用可能だ。


キーボードバックライトは、デフォルト設定では暗い場所で利用すると、自動的に点灯する(写真=左)。キーボードバックライトの点灯/消灯は「VAIOの設定」から設定をカスタマイズできる(写真=中央)。キーボードの右上には電源ボタンと3つのワンタッチボタンが並ぶ(写真=右)

オプションのキーボードウェアはブラックとホワイトの2色を用意(直販価格は各色2980円)。0.3ミリと薄いシリコン製で、見た目やキー入力時の違和感が小さい。半透明の素材なので、キーボードのバックライトも透過するキーボードの手前にはポインティングデバイスとして2ボタン式のタッチパッドを装備する。タッチパッドはキーボードのホームポジション直下にあり、タッチ領域は96(横)×50(縦)ミリと広く使いやすい。パッドの滑りはよく、ボタンの押し心地も良好だ。パッドの右辺/下辺を使った上下/左右スクロールのほか、フリック、ピンチズーム、ピボットローテーションなどのマルチタッチジェスチャー機能が標準で有効となっている。
また、タッチパッドの2つのボタンの間には指紋センサーを装備。WindowsのログオンやWebサイトのパスワード入力を指紋で代行することができるソフト(AuthenTec TrueSuite)もプリインストールされている。
なお、オプションのBluetoothレーザーマウス「VGP-BMS1」には、ソニーストア限定でVAIO Sのカラーに合わせたダークブルーやライトピンクのカバーも追加されており、本体カラーとコーディネイトを楽しめる。


タッチパッドにはアルプス電気製のドライバが導入されている。右辺/下辺を利用したスクロール機能のほか、2本指の開閉でズーム/パンを行うピンチズームや、画像の回転などを行うピボットローテーションなどのマルチタッチジェスチャー機能が利用可能だ以上、新型VAIO Sの特徴を一通りチェックした。近日公開予定のレビュー後編では、ベンチマークテストによってパフォーマンスやスタミナを検証していく。
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