ラオスにITは、あるのか?ないのか?山谷剛史の「アジアン・アイティー」(2/3 ページ)

» 2011年03月18日 13時23分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

バーツがありがたいラオスの流通事情

 街並みはいたってのんきなラオスだが、個人の生活レベルはこの数年でずいぶんと変わっていた。街を走る車にはレクサスやBMWなどの高級車が多く、そうした車で送迎される学生が集まる学校もある。地元の人に聞くと、土地や政府関連のビジネスで成功した富裕層が増えたという。ATMがいたるところに置かれているのも大きな変化だ。財布に何枚ものキャッシュカードを忍ばせている富裕層の奥様やお嬢様も少なくない。

 ビエンチャンのバスターミナルの向かいには、巨大な市場でにぎわっており、家電を扱うショップもそこにある。新型の液晶テレビから旧式のブラウン管テレビ、そして、白物家電を扱っているが、その種類は多くない。

 このように、ラオスの市場には商品はあるが選択できるほどの種類がない状況にある。ラオスの主要都市では、メコン川にかかる橋を渡って隣国タイの地方都市まで買い物にいく。そのため、ラオスの主要都市でもタイの貨幣「バーツ」が流通している。ラオス最大のショッピングセンターでは「買い物ではバーツではなく。ラオス通貨のキップを使いましょう!」という横断幕が掲げられている。

ビエンチャンで2番目に大きい家電販売店

ラオスのコンテンツだけは正規版あります

 ちなみにDVDショップで売られるCDやDVDは箱でパッケージされたものはなく、すべてが簡易包装だ。日本のアニメもタイのドラマのDVDも海賊版ばかりだが、ラオス国内のコンテンツに限っては「安い海賊版」と「ちょっとだけ価格が高い正規版」が流通している。

 アジアの家電流通では、メーカーの代理店が販売店を兼ねているケースが多いが、ビエンチャンの販売店はメーカー系列ではなく、複数のメーカーを扱っている。その雰囲気は日本の商店街にある個人営業の電器屋に近い。しかし、最近になって“出現”した富裕層を対象にした、国外大手メーカーの製品だけを扱う大規模家電店も増えている。

ビエンチャンの中心部にある“高級ITショップ”(写真=左)と、庶民的な家電販売店(写真=右)

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