5月13日に発表された富士通の2011年PC夏モデルにおいて、目玉機種となるのが新シリーズの「FMV LIFEBOOK TH」だ。THというシリーズ名にはTouch、Thin、Two Wayといった意味を込めたという。
その名の通り、薄型のボディにタッチパネル付きの10.1型ワイド液晶ディスプレイとキーボードを搭載。スレート型(ピュアタブレット型)フォルムでのタッチ操作と、ノートPC型フォルムでのキーボード入力という、2つのスタイルで利用できる「ハイブリッドモーション」を実現しているのが面白い。
ラインアップはTH40/Dの1モデル展開で、発売は2011年6月下旬の予定だ。価格はオープン、実売価格は8万円前後(同社直販の「WEB MART」では7万9800円)となっている。
ここでは発売に先駆け、TH40/Dの試作機を入手したので、まずは写真と動画でその特徴をチェックしていく。試作機なので、実際の製品と異なる可能性がある点はお断りしておく。PC USERでは製品版が入手できたら、改めてレビューを行う予定だ。
まずは特徴的なハイブリッドモーションから見ていこう。キーボードを収納した状態ではスレート型のフォルムとなり、Webブラウズや写真閲覧などをタッチパネル操作で直感的に行える。
本体サイズは274(幅)×188(奥行き)×17.4(高さ)ミリ、重量は約1.1キロ(試作機の実測値は1.08キロだった)と、キーボードを内蔵している割に薄型軽量となっており、この状態ではディスプレイのヒンジやキーボードなどが一切見えず、ディスプレイ部とキーボード部がキレイに重なっていて段差がないため、キーボードの存在は感じない。1.1キロの重量は10型クラスのタブレットデバイスとしては重いほうだが、ファンレス設計による均一で薄いボディも手伝って、それほど持つのがつらい印象はなかった。
Windows 7標準のマルチタッチ機能に対応し、2本の指による拡大/縮小などのジェスチャーやソフトキーボードでの入力など、このままでも一通りの操作が行える。加速度センサーの内蔵により、本体の向きに合わせて、横位置表示と縦位置表示が自動的に切り替わる仕組みだ。
ディスプレイには1024×600ドット表示の10.1型ワイド液晶パネル(TN方式)を採用。白色LEDバックライトを搭載し、液晶パネル表面はフレーム部までシームレスにつながった光沢仕様の「フルフラットファインパネル」としている。
じっくり文章を入力したい場合は、液晶ディスプレイをずらしてキーボードを利用する。液晶ディスプレイ部の端を持ち、後方にスライドさせながら持ち上げることで、ディスプレイ裏側のアームが立ち上がり、隠されていたキーボードが現れる仕組みだ。液晶ディスプレイ部はキーボード上部の段差にカチッとはまるようになっている(チルト調整には対応しない)。
このスタイルは、通常のノートPCのように使えるほか、本体を手に持たずに机上でタッチ操作したい場合にも役立つだろう。
キーボードは日本語87キー仕様だ。最近採用例が多いアイソレーション型のデザインではなく、フラットなキーを敷き詰めている。キーピッチは約16.2ミリと少し狭く、キーストロークは約1.4ミリを確保する。Enterキー周辺や最下段のキーに狭いピッチは見られるが、小型の割にキーレイアウトのクセは少ない。
スペースバーの右隣には、赤外線方式の小型ポインティングデバイス(指先ポインタ)を装備。指先ポインタはボタンになっており、これをグッと押し込むことで左クリックが行える。その隣には右クリック用のキーも配置され、液晶のタッチパネルを使わずに、キー入力しながら手元でポインタの操作もこなせる。
23ワットアワーのリチウムポリマーバッテリーを内蔵し、公称のバッテリー駆動時間は約6時間としている。バッテリーは取り外せない仕様だ。付属のACアダプタは、実測で本体部のサイズが36(幅)×86(奥行き)×26(高さ)ミリ、重量が143グラムと小型軽量だった。しかし、電源ケーブルは3ピンの太いタイプなので、電源ケーブル込みの重量は307グラムとなり、ややかさばる。
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