「A75」と「A55」はデスクトップPC向けの新しいチップセットで、上位モデルのA75に下位モデルのA55というラインアップになる。ともに“プロセッサ”のパッケージは「FM1」に対応するとされているが、FM1に対応する“プロセッサ”の詳細についてAMDはまだ明らかにしていない。
ただし、2011年6月に行われたCOMPUTEX TAIPEI 2011では、A75を搭載したマザーボードのサンプルが、各ベンダーのブースやAMDのブースで多数展示されており、AMDのブースに展示されていたサンプルの一部では、説明資料に「Llano」という記述も確認されている。
A75とA55の相違は「FIS-Based Switching」と「USB 3.0」「Serial ATA 6Gbps」への対応で、A75はそれぞれサポートするがA55では対応しない。A75は6基のSerial ATA 6Gbpsが利用でき、A55は6基のSerial ATA 3Gbpsの対応となる。また、利用できるUSBも、A75が4基のUSB 3.0と10基のUSB 2.0、2基のUSB 1.1という構成だが、A55は、USB 3.0に対応しない代わりに14基のUSB 2.0と2基のUSB 1.1が利用できる。
そのほかの仕様はA75とA55で共通する。ワンチップ構成で、RAID 0、1、10の構築が可能、チップセットに接続するPCI Expressして4レーン1組が利用できる。PCI対応拡張スロットも3基まで搭載可能だ。なお、micro SATAスロットにも対応するが、その利用方法について資料では特に説明していない。
AMDは、A75とA55に統合されたUSB 3.0の優位性として接続したデバイスからの転送速度が、同じくUSB 3.0コントローラを統合したインテルの“6シリーズ”チップセット(開発コード名はSuger bay)より優れていることを訴求する。AMDが測定したベンチマークテストの結果では、A75チップセット搭載マザーボード基幹のシステムが、Intel P67 Expressチップセット基幹のシステムより約6パーセントほど上回ったとしている。
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