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» 2011年08月26日 09時00分 公開

スティーブ・ジョブスは“役者”でもあった:プレゼンテーションで振り返る“Apple=ジョブズ” (2/3)

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

“ジョブズ氏といえばプレゼン”といわしめた名シーンを振り返る

2005年9月の音楽イベントに登場したジョブズ氏。肉付きもよく、当時はまだ健康そのものという印象だ

“iTunes Phone”の名称を冠した「Motorola ROKR」(ロッカー)の発表会に登場したジョブズ氏。“期待の新製品”と噂されていたが、iPod shuffleの機能を組み込んだだけの携帯電話で、特徴的なものはなかった。この1年後にアップルはiTunesのフル機能をサポートしたiPhoneを発売するわけで、Motorolaにしてみれば“利用された”ような印象だ(写真=左)。ROKRを紹介するスライドの最後には、3つの会社のロゴマークが並んでいるが、一番右にあるのが「Cingular」のロゴで、これは後の「AT&T」となって、iPhoneの独占提供キャリアとして大躍進を遂げることになる(写真=右)

2005年の音楽イベントにおいて「One more thing…」という言葉とともにサプライズで発表されたのが「iPod nano」だ。「ポケットに1000曲の音楽を」のキャッチフレーズとともに、ジョブズ氏のトレードマークとなっているジーンズのポケットにある“あのもう1つのポケット”からnanoを取り出す演出が多くのファンに注目された。結局のところ、nanoが与えたインパクトの大きさに、ROKRを含むほかのすべての製品の存在感が薄くなってしまったのは否めない

2006年3月にアップル本社のキャンパスで開催された製品発表会に登場したジョブズ氏は、やや痩せてひげが濃くなったが、雰囲気は2005年以前のままだ

ユーザーからすると“常勝”イメージのあるアップルだが、失敗した製品も少なからずある。最新の“Lion”ではサポートされていない「Front Row」と、Macには標準添付されなくなった「Apple Remote」、そして、「iPod Hi-Fi」など、いまにしてみれば、なにもかもが懐かしい

2008年10月にアップル本社キャンパスで、ユニボディを採用したMacBookを発表したときのジョブズ氏だ。病気療養で長期休業するなど、このころから健康不安がニュースでも大きく扱われるようになった(写真=左)。だが、ジョブズ氏は、Q&Aコーナーに入る直前、質問禁止事項を示すスライドで自分の血圧を表示して「これ以上質問するな」というなど、自分のプレゼンテーションで自分の健康問題をジョークのネタにした(写真=右)

PCの時代に終わりが近付いているのならば、そのきっかけとなった1つが「iPad」だろう。MacとiPhoneの中間を埋める第3の製品としてiPadは2010年1月に登場した

 プレゼンテーションを行うジョブズ氏は、徐々に体がやせている。ジョブズ氏の辞任で公開されたメッセージには、「CEOの職務を全うできないそのときがきた」と書かれていたが、これからは、病気治療が最も優先すべき課題になったということだろう。

 ジョブズ氏は、アップルの開発体制を生まれ変わらせ、「iPhone」「iPad」という製品でPCの時代をポストPCの時代へと大きく変革していった。アップルの第一線からは離れるものの、これからも、会長 兼 ディレクターとして、アップルの進む先に関与していく可能性はあるといわれている。

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