神奈川県の私大に通う4年生。23歳。総合大学のなかで情報学部に所属。部活、サークルはせず、ライター修行の日々。趣味は麻雀で、よく友人とSkypeをつないでは、雑談混じりのオンライン対戦を楽しむ。彼女なしの超インドア派、リア充とは無縁な草食系。
大学生活も後半を迎えると、学生の興味は趣味や恋愛から“内定”へと向けられる。就職氷河期の真っ盛りで、なかなか成就とはいかないのが現状だ。普通は春ごろに決まることが多いが、筆者の回りも2割ほどの同級生がまだ内定をもらっていないし、希望する職種に決まったという話は半数にも満たない。そんな厳しい現状のキャンパス内では、スマートフォンに買い換えたり、2台持ちをしたりする就活生の姿が目に付く。
現在の就職活動では、大手就活サイトを使う学生が大半だ。そこから各企業へエントリーをして、説明会の流れとなる。参加にはWeb上での予約が必要だが、人気の企業は受け付け開始からわずか数分で満席になってしまう。こうなると、講義の時刻と重なった場合も、教室から登録ページに直接アクセスできるスマートフォンが便利だ。フィーチャーフォンでもアクセスできるが、スマートフォンにはレスポンス感がよくて、学生にお馴染みのワードやエクセルにもアプリで対応できるといったアドバンテージがある。
しかし、そういった理由とは関係なく、金銭的に余裕があり、流行に乗じておこうという学生も多い。合コンで使える盛り上げ系アプリが豊富なのもポイントらしい。聞いた話によると、「合コンに持っていくのはスマートフォン、本命の彼女は昔から継続して使っているフィーチャーフォン」と使い分けるケースもあるという。
個人情報の扱いについては、就職活動に致命的なダメージを与えるということを抜きにしても、かなり神経を使っているのが普通だ。
ブログやTwitterなどのSNSは、現在の大学生にとって身近な存在で、ほとんどの学生は利用経験があるといってもいい。講義中に携帯を触っている友人を横からのぞくと、他者の日記にコメントを書き込んでいたりする。ヒマつぶしがてら、SNSのニュースなどを眺めることも少なくない。
ただし、この手のサービスで本名登録している学生は、筆者の周りで少数派だ。「思ったことや感じたことを、気兼ねなく書きたい」「個人情報を露呈するのに抵抗感がある」といった理由で、とりあえず自身が特定される情報をカットするように意識するのが普通となっている。旅行や合コンに行っても、友人の顔が映っているものを無許可でアップするケースはほとんどない。
しばしば問題になる個人情報がらみの事件についても、学生の反応は思ったより冷たい。筆者の友人はそろって、「危機管理がなってない」と一蹴していた。普段利用するからこそ、個人情報の管理には気を配るのが当然、という意見が大半だった。
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