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» 2012年04月20日 19時27分 公開

勝手に連載!「海で使うIT」:世界の船乗りが求める「ナナオの品質」──「SEA JAPAN」リポート (2/2)

[長浜和也,ITmedia]
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インマルサットになんとハンディタイプが登場

 船で使う簡単確実な通信手段となると、なんといっても衛星電話だ(アマチュア無線は、簡単確実とはいえない)。舶用の衛星電話では、インマルサットとイリジウムが主流だが、ハンディサイズの端末で利用でき、初期コストもHF帯対応の無線機とリグの組み合わせとそれほど変わらないイリジウムに比べ、初期投資が100万円前後で装置も大掛かりになるインマルサットは、個人やグループが所有する小型のヨットやボートで使うには無理があった。

 しかし、SEA JAPANのインマルサット(by KDDI)ブースに展示していた「IsatPhone PRO」は、ハンディサイズのボディだけでインマルサットによる衛星電話回線が利用できる。これまでドームタイムのアンテナユニットを必要としていたのと比べると、小型船における使い勝手と導入は格段に楽になる。まだ確定していないものの、端末価格はイリジウム対応端末程度となる予定で、ランニングコストも、現在主流のインマルサットフリードブロードバンド(従量制のスタンダードプランで月基本料が5000円)相当を目指したいと、KDDIのスタッフは説明している。

ハンディサイズの本体だけでインマルサットが利用できるという画期的な「IsatPhone PRO」は現在免許申請中で、早ければ2012年秋に運用サービスを提供できる見込みだ(写真=左)。ボディにはmicro USBインタフェースを備え、PCと接続すればモデムとして利用できる(写真=右)

 一方、イリジウム(by KDDI)ブースでも、先日発表した新端末「Extreme」を展示していた。GPS情報を発信する専用ボタンを搭載したモデルだが、ここで発信したGPS情報の受信先について、イリジウムのスタッフに確認したところ、ユーザーの設定したメールアドレスになるとの説明だ。このアドレスについて、民間が運営している救難サービスや、BANなどの救助サービスとの連携については、現在予定はないとのことだ。

 イリジウムのブースでは、ExtremeとUSBで接続して利用できる無線LANルーターも展示していた。イリジウムのデータ通信速度が2400bps程度なので、PCで利用するリッチコンテンツを実装したWebページへのアクセスは無理だが、スマートフォンで利用できるWebページやテキスト限定のTwitterの利用は可能という。

4月12日にKDDIが発表した新しいイリジウム対応端末「Extreme」は(写真=左)、本体上部にGPS情報を発信する専用のボタンを備える(写真=中央)。ブースには日本未発表の無線LANルーターも展示していた。USB接続でイリジウムの対応端末と接続して無線ルータとして利用する(写真=右)

海上自衛隊もブースを設けていた。最新の「ひゅうが」「こんごう」の大型模型(風洞実験に用いたソリッドモデルを流用)や2011年度研究の護衛艦模型の展示以上に、防衛省技術研究本部の採用案内に興味を抱く読者も多いのではないだろうか。「新卒以外もけっこういます」とのこと

日本郵船歴史博物館のブースでも、所蔵する“紙模型”を展示していた。日露戦役の日本海海戦で敵艦隊を発見した信濃丸や、太平洋戦争前の大型貨客船「浅間丸」、いまもその姿を見ることができる氷川丸などが並ぶ

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