先週は、サーバ/ワークステーション向けCPU「Xeon」がらみの話題作が多かった。
マザーボードで目立っていたのは、LGA 2011ソケットを2基搭載するEVGAのマザー「Classified SR-X」だ。チップセットはIntel C606で、Sandy Bridge世代の上位CPU「Xeon E5」シリーズに対応する。一般的なXeonマザーと違い、オーバークロック向けの機能を多数盛り込んでおり、PCI Express x16スロットを7基、メモリスロットを合計12基そろえるなど、拡張性も高い。フォームファクタはFPTX(345×381ミリ)で、価格は7万円弱だ。
入荷したパソコンショップ・アークは「大ぶりなマザーなので搭載できるケースが限られますが、現行品で最強構成を目指す人に最適なマザーだと思います。Xeon使いの人も増えていますし、注目している人は多そうですよ」と話していた。
一方、Xeonそのものの新シリーズも登場している。LGA 1155に対応する「Xeon E3 v2」シリーズで、複数のショップから合計11種類の入荷が確認された。価格や主なスペックは以下の通り。
モデル名 | コア数 | 標準クロック | 内蔵GPU | TDP | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
Xeon E3-1290 v2 | 4 | 3.7GHz | なし | 87ワット | 8万円前後(バルク/セット販売限定) |
Xeon E3-1280 v2 | 4 | 3.6GHz | なし | 69ワット | 5万円台後半 |
Xeon E3-1275 v2 | 4 | 3.5GHz | Intel HD4000 | 77ワット | 3万3000円弱 |
Xeon E3-1270 v2 | 4 | 3.5GHz | なし | 69ワット | 3万1000円前後 |
Xeon E3-1265L v2 | 4 | 2.5GHz | Intel HD4000 | 45ワット | 2万8000円前後 |
Xeon E3-1245 v2 | 4 | 3.4GHz | Intel HD4000 | 77ワット | 2万6000円弱 |
Xeon E3-1240 v2 | 4 | 3.4GHz | なし | 69ワット | 2万5000円前後 |
Xeon E3-1230 v2 | 4 | 3.3GHz | なし | 69ワット | 2万2000円前後 |
Xeon E3-1225 v2 | 4 | 3.2GHz | Intel HD4000 | 77ワット | 2万1000円前後 |
Xeon E3-1220 v2 | 4 | 3.1GHz | なし | 69ワット | 1万9000円前後 |
Xeon E3-1225L v2 | 2 | 2.3GHz | なし | 17ワット | 1万8000円前後(バルク/セット販売限定) |
全モデルがハイパースレッディングに対応しており、「E3-1225L v2」以外は4コア/8スレッドで動作する。内蔵GPUの有無の差が大きく、モデルナンバーの1ケタが0のモデルはGPU非搭載となる。また、末尾にLがつくモデルは消費電力が低く、とくにE3-1225L v2はTDPが17ワットと、きわめて低いのがポイントだ。
パソコンハウス東映は「Xeonは動作確認がとれていないマザーが多いですが、Sandy Bridge世代のころからけっこう売れるようになってきたので、Ivy版も期待しています。GPUなしや超低電圧なモデルが選べるなど、Core iシリーズだけよりも選択肢の振り幅が広がるので、注目している人も多そうです。こういう“ちょっと難易度は高いけど面白いパーツ”が売れるのって、アキバっぽくないですか」と話していた。
いくつかのショップでは独自に動作確認を行っている。PC DIY SHOP FreeTは「試した範囲でいうと、最新BIOSにアップデートすれば、主要メーカーのZ77マザーなら大抵動くようですね。逆に、Z68マザーだと最新BIOSでもPOSTもしないみたいです」と語る。その中で株を上げたのはASRock製マザーだとか。「ASRockのZ77マザーだけはBIOS更新しなくても普通に動きました。導入時のつまづきを避けたいなら、今回はとりあえずASRock製マザーを選ぶのがいいかもしれません」とのこと。
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