最後に発熱に関してだが、Video Unlimitedで購入した映画をしばらく試聴していたところ、ほとんど気になるような熱を持つことはなかった。40分再生後のボディ表面温度を放射温度計で計測すると、室温26度の室内で、液晶ディスプレイ面SONYロゴの辺りとその裏側が30.5度、その他は28.5〜29.5度だった。熱設計は実に優秀といえる。
2回に渡ってレビューをお送りしてきたが、カタログで見られるハードウェアスペックに突出した部分はない一方で、1つ1つ見ていくとハードウェア、アプリともにかなり力を入れて細部まで作り込まれていることに気付く。
高精度なタッチパネルによるタッチ操作のしやすさは確かに感じられるし、専用DSPでAndroidからオフロード処理させることで実現したサウンド機能などは、他のAndroidタブレットでは簡単にマネのできない部分で、大きなアドバンテージといえる。背面の折り返し部分をアクセサリとの固定に有効活用するといった機構も、かなり前の段階から並行して開発を進めてこないとできないことだ。
Xperiaスマートフォン、Sony Reader、nasneといったソニーの周辺機器をすでに持っている人はもちろんだが、持っていない人でも、スモールアプリやリモコン、ゲストモードなど、便利で実用的な機能がそろっている。ソフトやサービスまで含めた機能、使い勝手ともにAndroidタブレットとしては、極めて高い完成度を備えた製品だ。
実売価格は16Gバイトモデルの「SGPT121JP/S」が4万円前後、32Gバイトモデルの「SGPT122JP/S」が4万8000円前後、64Gバイトモデルの「SGPT123JP/S」が5万6000円前後と、Androidタブレットとしては安くはないが、こうしたソニーならではの付加価値を考慮すると、Xperia Tablet Sを積極的に選ぶ理由にもなるのではないだろうか。


ブランド一新、中身はどうだ?:「Xperia Tablet S」徹底検証(前編)――Sony Tabletからの進化を見極める
9月15日発売、4万円前後から:ソニー、薄型化・防滴化したAndoridタブレット「Xperia Tablet S」を国内発表
防滴ボディ、キーボード付きカバーも用意:ソニー、Sony Tablet Sから薄型化した「Xperia Tablet S」を欧州で発表
SNSもRSSフィードも一括表示:ソニー、Sony Tablet用の“まとめ読み”アプリ「ソーシャルフィードリーダークラウド」
動画を再生しながらWeb閲覧が可能に:Android 4.0.3搭載の「Sony Tablet」で“スモールアプリ”を試す
スモールアプリやBDレコーダー連携も:ソニー、「Sony Tablet」のAndroid 4.0.3アップデートを4月下旬に提供
“P”発売同時にアップデート:ソニーが「Sony Tablet」向けサービスを拡充――電子書籍/地図情報/Skypeアプリ
ドコモ、「Sony Tablet S」「Sony Tablet P」を10月28日に発売
発売記念・特大レビュー:ソニーらしさはAndroidタブレットでも健在か?――「Sony Tablet S」徹底検証
S1は「S」シリーズ、S2は「P」シリーズに:ソニーが“Sony Tablet”の詳細を発表――9月17日より順次発売Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.