Android 4.0.3搭載の「Sony Tablet」で“スモールアプリ”を試す動画を再生しながらWeb閲覧が可能に(1/2 ページ)

» 2012年03月27日 17時15分 公開

Ice Cream Sandwich対応だけじゃないSony Tabletの仕様強化

9.4型ワイド液晶搭載の「Sony Tablet S」と、5.5型ワイド液晶を2枚備えた「Sony Tablet P」

 既報の通り、ソニーは2012年4月下旬に「Sony Tablet」のOSをAndroid 4.0.3にアップデートすることを発表した。このアップデートには、Android OS自体の更新と、ソニー独自ソフトウェアの更新の両方が含まれる。

 Android 4.0.3の適用に伴い、Android 4.0搭載スマートフォンとユーザーインタフェースが共通化されるほか、ロック画面からの左フリックによる「カメラ」アプリの直接起動や、パノラマ写真の撮影、「ギャラリー」アプリでの画像編集といった機能が追加されている。

 もっとも、こうした機能向上は他のAndroid 4.0搭載端末にも当てはまるため、特に目新しいものではない。ポイントは、任意のアプリを使いながら小窓で同時操作できる「スモールアプリ」と、ソニー製Blu-ray Disc(BD)レコーダーとの連携によるテレビ視聴機能を提供する「RECOPLAアプリ」の2つの独自機能を盛り込んできたことだ。

 RECOPLAアプリは一部のソニー製BDレコーダーを所有していないとフル機能を利用できないが、スモールアプリについてはSony Tabletのユーザーすべてが活用できる。今回は約1カ月後のアップデートに先駆け、Android 4.0.3が搭載された「Sony Tablet S」と「Sony Tablet P」の試作機を入手したので、早速スモールアプリを試してみた。

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任意のアプリとWebブラウザを同時に操作可能

タスクバーの四角が2つ重なったようなアイコンをタップすると、3つのスモールアプリを起動できるランチャーが表示される。画面はSony Tablet S

 スモールアプリとは、ホーム画面上や任意のアプリを起動したまま、小さなウィンドウで同時利用できる小型アプリのこと。Androidには、従来からホーム画面に張り付けてさまざまな機能を利用できるウィジェット機能があるが、スモールアプリはこれとは異なり、ほかのアプリを起動した状態でも同時に操作できるのが特徴だ。

 つまり、複数のアプリを切り替えながら操作するのではなく、WindowsやMacのようなマルチウィンドウでの操作を(限定的ながら)実現している点に注目したい。

 今回のアップデートで提供されるスモールアプリは、Webブラウザ、計算機、リモコンの3つだ。リモコンのスモールアプリは、Sony Tablet Sシリーズのみ搭載される(赤外線ポートがないSony Tablet Pには搭載されない)。これら3つのスモールアプリは同時利用できず、2つ起動しようとすると、先に起動していたスモールアプリが自動的に終了する仕組みだ。

 通常のアプリとスモールアプリを併用することで、動画再生やSNSの利用中にWebブラウザで調べ物をしたり、電子文書の閲覧やネットショッピング中に計算機で購入金額の合計を出したり、電子書籍の購読やWebブラウズ中にリモコンでテレビの音量やチャンネルを変えたり、といった操作が行える。

Android 4.0.3搭載のSony Tablet Sで3つの「スモールアプリ」(Webブラウザ、計算機、リモコン)を起動。スモールアプリは同時に複数起動できない
Sony Tablet Sでスモールアプリを起動した様子。左からWebブラウザ(YouTubeと同時利用)、計算機(Webブラウザと同時利用)、リモコン(Webブラウザと同時利用)
Android 4.0.3搭載のSony Tablet Pで2つの「スモールアプリ」(Webブラウザ、計算機)を起動。Sony Tablet Sのリモコンアプリは用意されない
Sony Tablet Pでスモールアプリを起動した様子。左がWebブラウザ(Facebookアプリと同時利用)、右が計算機(Webブラウザと同時利用)だ。※これらの画面キャプチャは2画面の境界が分かりやすいように、間に黒い線を入れている

 3つのスモールアプリで最も有用なのはWebブラウザだ。スモールアプリのWebブラウザは簡易的なもので、再読み込み、戻る、進む、ホームページへ移動、全画面表示(フルブラウザへの切り替え)といった機能しかなく、ブックマークや履歴、タブブラウズ、オフライン閲覧などのフルブラウザが持つ機能はないが、2つのWebページを見比べたい場合などでは重宝する。

 スモールアプリのWebブラウザはウィンドウの位置やサイズを手動で変えられるほか、画面の上下にウィンドウをぴったり合わせて表示する「画面をフィットさせる」機能があるため、うまくウィンドウサイズを調整すれば、Sony Tablet SでYouTubeの動画を見ながらWebブラウズしたり、Sony Tablet Pの「ビデオプレーヤー」アプリでHD動画を見ながらWebブラウズするといった便利な使い方ができるだろう。

 特に2画面のSony Tablet Pでは、上画面に動画やWebブラウザ表示、下画面にスモールアプリのWebブラウザ表示と、画面ごとに違うコンテンツを表示できるため、2画面のメリットをきちんと生かせるのが見逃せない。Sony Tablet Pのビデオプレーヤーアプリで動画を再生すると、上画面に動画、下画面に操作パネルが表示されるが、下画面の操作パネルを隠す形でスモールアプリのWebブラウザを配置できる。同様にWebブラウザも下半分を隠す形でスモールアプリのWebブラウザを重ねて表示することが可能だ。

Android 4.0.3搭載のSony Tablet Sで、YouTubeの動画を再生しながら、スモールアプリのWebブラウザを利用。動作の再生コントロールとWebページの閲覧が同時に行える
Android 4.0.3搭載のSony Tablet Pで、「ビデオプレーヤー」アプリから720pのHD動画(MPEG-4 AVC/H.264 Baseline Profile)を再生しながら、スモールアプリのWebブラウザを利用。重いWebページの読み込み時などに動画再生が多少もたつくこともあるが、動画再生とWebブラウズを同時にこなせる
スモールアプリのWebブラウザは、ウィンドウの位置やサイズを自由に変更できる。画面の上下にWebブラウザの端をフィットさせる機能も持つ。通常のWebブラウザアプリのリンクを長押しした際に表示されるメニューから、スモールアプリのWebブラウザでリンク先のページを開くことも可能だ。画面は重なってしまうが、2つのWebページを同時に閲覧することもできる
Android 4.0.3搭載のSony Tablet Sで、Webブラウズしながらスモールアプリのリモコンを起動。スモールアプリの矢印ボタンを押すと、全画面表示のリモコンアプリに切り替わる仕組みだ

 一方、スモールアプリの活用で問題になるのは、既存のアプリがスモールアプリの併用を考慮していないことだ。メインで起動するアプリは常に全画面表示になり、スモールアプリはその上に重なって表示されるため、メインのアプリが扱いにくくなってしまうことも少なくない。スモールアプリのWebブラウザ上で文字を入力しようとすると、画面の半分が大きなソフトウェアキーボードで埋まってしまうのも残念だ。

 ただし、2画面構成のSony Tablet Pでは、汎用アプリを1画面表示に固定する機能があるため、上画面に通常のAndroidアプリ、下画面にスモールアプリを表示と、画面ごとに別々のアプリを映すことが可能だ。だが、ソニー独自アプリはSony Tablet Pの2画面表示に最適化されているため、やはりスモールアプリで一部が隠れてしまう。

 今後はSony Tablet S/Pいずれも、メインで起動するアプリとスモールアプリを自由に並べて同時表示するような機能が欲しいところだ。また、今後はソーシャルアプリの数も拡充してほしい。

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