iPadもAndroidタブレットもマルチタスクに対応しており、マルチコアのプロセッサ向けにソフトウェアの最適化を進めているが、ユーザーインタフェースの基本的な設計思想は選択したアプリを全画面で表示し、状況に応じて表示するアプリを素早く切り替えながら使うというスタイルだ。
タブレットデバイスでは、PCに比べて小さい画面を最大限活用しつつ、シンプルで直感的な操作を実現するため、“用途に応じて、起動したアプリの専用端末に早変わりする”というユーザーインタフェースを採用するのは現時点で正しい選択に思える。
しかし、普段からPCを使っているユーザーや、タブレットの扱いに慣れたユーザーにとっては、すべてのアプリを切り替えながら使いこなすのは少々煩わしいこともあるだろう。スモールアプリは、まだまだスマートさには欠けるものの、こうしたニーズにうまく応えており、新しいタブレットの使い方を提案している。特にSony Tablet Pでは2つの画面をフル活用できる手段として、ライバル機との差異化要因になり得るだろう。一般のユーザーにとって取っつきにくさもある2画面構成だが、ここへ来て、ポテンシャルを発揮できる方法が出てきたのは朗報といえる。
また、圧倒的な解像度を誇る第3世代のiPadが発売されたいま、Androidタブレットもより高解像度のディスプレイを搭載した製品が多数登場すると予想されるが、スモールアプリは高解像度環境でさらに余裕をもって表示でき、扱いやすいように進化していく可能性がある。
スモールアプリの実装はまだ始まったばかりだが、将来的にソーシャルフィーダー(TwitterやFacebookなどに対応)や、フリック入力などに対応するミニキーボード付きのメモパッドなど、さまざまなスモールアプリが追加され、既存の独自アプリもスモールアプリとの併用を考慮した最適化が進んでいけば、膨大な数が存在するAndroidタブレットの中でも、Sony Tabletならではの付加価値を示していけるだろう。
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