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約40%体積カットで“これなら置ける”A4複合機へ――エプソン「EP-805A」徹底検証スマホ/タブレット連携も大幅強化(5/6 ページ)

» 2012年12月29日 18時45分 公開
[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]
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写真プリント/カラーコピー/スキャンの画質は?

 次はプリントおよびスキャンの品質を見ていこう。サンプルは写真プリント、カラーコピー、スキャンの3種類を用意した。


 最初は写真プリントのサンプルだが、印刷用紙は最上位写真用紙の「写真用紙クリスピア<高光沢>」に最高品質モードで出力した5点を掲載している。元画像の再現性を確認するため、プリンタドライバに搭載されたメーカー独自の色補正機能は使わずに、メーカーが提供しているICCプロファイルを用いて印刷した。

 以下の画像サンプルはいずれも印刷した紙をスキャナで取り込んだもので、色の再現性は低い。また、表示する環境によって色やコントラストはかなり違って見える。そのため、大体の傾向を把握する程度にとどめて、評価そのものは各画像の説明文を参考にしていただきたい。

・プリントサンプル1――カラー建造物(設定:最高品位)

 全体に気持ち程度の赤みが乗っていることを除けば、カラーバランスはほぼ正確だ。シャドーがわずかにつぶれているものの、細部の描写にさして影響は出ていない。

印刷サンプル(画像=左)と元画像(画像=右)

・プリントサンプル2――カラー風景(設定:最高品位)

 カラーバランスを保つのが難しいサンプルだが、カラーバランスは整っている。ただ、全体にアンダー気味なため、写真の雰囲気が異なってしまった。とはいえ、つぶれたように見えるシャドーもルーペで確認すると、微妙に階調を残している。

印刷サンプル(画像=左)と元画像(画像=右)

・プリントサンプル3――モノクロ風景(設定:最高品位)

 シャドーにやや赤みが差しており、鑑賞用のモノクロ写真としては厳しい。ただ、細部の描写や硬軟の階調はきれいに再現できている。

印刷サンプル(画像=左)と元画像(画像=右)

・プリントサンプル4――カラー人物(設定:最高品位)

 気持ちアンダーではあるが、ほぼオリジナルに近い。階調の再現も見事で、飛びがちな背景や敷物の白、黒くつぶれがちなタキシードのシワもきれいに描けている。

印刷サンプル(画像=左)と元画像(画像=右)

・プリントサンプル5――カラー静物&グラデーション(設定:最高品位)

 やや色が強く出ているものの、白飛びや黒つぶれがなく印象がよい。オブジェクトの淡い影のような軟調、金属の硬調がしっかりと再現できている。ラベルの文字やトランプの細かな模様もしっかりと描けた。

印刷サンプル(画像=左)と元画像(画像=右)


 カラーコピーのサンプルについては、静物とグラデーションパターンが組み合わされた画像を普通紙に対して、標準設定と高速設定の2モードで印刷した。

・カラーコピーサンプル――カラー静物&グラデーション(設定:デフォルト/高速)

 標準設定では、ワインボトルや色鉛筆のケースなどシャドーの深い部分はさすがにつぶれてしまった。それでも発色が豊かなためか、オリジナルの雰囲気は残しており、印象は悪くない。普通紙への印刷としては、十分に高品質といえる。

 高速設定のドラフトモードでは、さすがにデータの間引きが多く、写真としては破たんしてしまっている。全体に白ぼけているので、イラストの出力にも厳しいだろう。テスト用に使用するのが無難で、常用はおすすめできない。

 なお、どちらの結果もインクにより用紙がたわむことなく出力できていた。普通紙への印刷において、この点はむしろ画質より重要となるケースもあるだろう。

カラーコピーのサンプル。デフォルト設定(画像=左)と高速設定(画像=右)


 印刷物をスキャンしたサンプルは、静物とグラデーションを組み合わせたカラー写真を600dpiで取り込んだデータを掲載した。なるべく素の状態を見るため、スキャンドライバの色補正はすべて切っている。

・スキャンサンプル――カラー静物&グラデーション(設定:600dpi)

 一様に赤みがかっているため、いまひとつパキッとしない画質だが、カラーバランス自体は整っており、修正は容易だ。階調はきれいに再現できており、黒つぶれや白飛びもない。

スキャンサンプル(画像=左)と部分拡大(画像=右)。右の画像はクリックすると、600dpiのスキャン画像の一部を等倍表示

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