エプソンが2011年モデルから特に注力しているモバイル/クラウドプリント機能は、さらに強化された。2012年モデルでは「EPSON Connect」という総称を付けて、幅広くモバイル/クラウドプリント機能を訴求する構えだ。EPSON Connectは大別して、「メールプリント」と「EPSON iPrint」で構成される。
メールプリントとは、プリンタに対して固有のメールアドレスを与え、そのアドレスに対してメールを送信することで、メールの本文や添付ファイルを印刷できる機能だ。専用アプリやドライバのインストールが不要で、Eメールを送れる環境ならば、どこからでも印刷できる。
この機能を利用し、EP-805Aには新たに「メールdeリモート印刷」という機能が追加された。これはEP-805Aでスキャンしたデータを、遠隔地のカラリオに直接送信して印刷をするというものだ。要はカラリオ同士をFAXのように使うことができる。送信先にもメールdeリモート印刷が使えるカラリオが必要(対応機種はこちら)になるが、遠方の親族に子供の写真を送る場合などに役立つだろう。
一方のEPSON iPrintは、スマートフォンやタブレットで利用できるワイヤレスプリント/スキャン用アプリだ。iPhoneやiPadに対応したiOS版はApp Storeから、Android版はGoogle Playから無償でダウンロードできる。
EPSON iPrintの機能は多彩だ。スマートフォンやタブレットに保存された写真(JPEG、PNG)、文書(PDF、Microsoft Word/Excel/PowerPoint)、Webページ、さらにはクラウドサービス(Evernote、Google Drive、Dropbox、Box)に保存したファイルの印刷までが行える。
従来のEPSON iPrintは、Wi-Fiネットワーク上のプリンタやスキャナのみが対象だったが、EP-805Aでは遠隔地からインターネット経由での印刷が行えるようになり、利用シーンが大きく広がった。外出先でスマートフォンから撮影した写真に任意の用紙やサイズを設定し、遠く離れた自宅のEP-805Aでワイヤレスプリントするといったことが可能だ。
また、従来はクラウドサービス上のデータを印刷するのみに限られたが、EP-805Aでは新たにスキャンしたデータを各種クラウドサービスに直接アップロードすることが可能になった。
「Wi-Fi Direct」機能に対応したこともEP-805Aの特徴だ。これにより、家庭内にWi-Fiネットワークを構築していない環境でも、EP-805AとWi-Fi機能搭載のスマートフォンやタブレットを1:1で接続し、ワイヤレスでプリントやスキャンが行える。また、プリンタが簡易アクセスポイントとなり、最大4台までの同時接続にも対応する(子機同士の通信はできない)。
そのほか、Windowsのみの対応だが「リモートプリントドライバ」を新たに追加している。その名の通り、自宅での印刷と同じように、PC内のデータを遠隔地から印刷できる機能だ。例えば、職場のPCから自宅のEP-805Aにデータを送って印刷することができる。
このリモートプリントドライバは、Windowsのプリンタドライバの体裁をしているため、各種アプリケーションから呼び出すことが可能だ。割り付け印刷やヘッダ・フッタの付加など、ほかのソフトより印刷設定が多いことも特徴となる。
なお、エプソン独自のサービスではないが、Appleの「AirPrint」や、Googleの「Google Cloud Print」にも対応する。EPSON Connectの独自機能は便利だが、OS標準のプリント機能を使ったほうが手っ取り早いこともあるだろう。
PC用の付属ソフトは、画像の簡易補正やフレーム合成、RAWデータに対応した写真印刷ソフト「E-Photo」、Word、Excel、PowerPointの操作画面から直接印刷設定ができるリボン/ツールバー「かんたん設定 for Office」、Webページのレイアウト印刷ソフト「E-Web Print」、Blu-ray/DVD/CDレーベル印刷ソフト「Epson Print CD」、日本語OCRソフト「読んde!!ココ パーソナル」などをそろえている(E-Web Printとかんたん設定 for OfficeはWindowsのみ対応)。
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