待っていたぞ! と叫びながらThinkPad Tablet 2を急いで使ってみたまさに黒板(2/2 ページ)

» 2013年01月25日 10時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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タッチ操作でWindows 8は完結するか

 本体サイズは、262.6(幅)×164(奥行き)×9.8(厚さ)ミリ、重さはオプションのデジタルペンを本体のホルダーに内蔵した状態で約585グラム。デジタルペンを内蔵しない状態(ホルダーにダミーのキャップをかぶせる)で約565グラムだ。これは、同じサイズの液晶ディスプレイを搭載するAndroid導入のタブレットデバイス、例えば、「LifeTouch L」の257(幅)×180(奥行き)×7.99(厚さ)ミリ、重量約540グラムとほぼ同じだ。この状態で、公称のバッテリー駆動時間は約10時間になる。

 ThinkPad Tablet 2の本体を持った感触も、これまでのAndroidタブレットデバイスと同じように使えてしまう。ThinkPad Tablet 2の発表以前に登場していた10.1型液晶ディスプレイ搭載スレートタイプのタブレットPC、例えば、MSIの「WindPad 110W」の271(幅)×183(奥行き)×15.5(奥行き)ミリ、重量は約850グラムと比べると、明らかに違う次元のモバイルデバイスだ。特に本体の薄さと軽さは決定的な違いとなる。

 ただ、ThinkPad Tablet 2を発表した2012年10月時点では、このサイズと重さでインテルアーキテクチャを採用するフルWindows導入のタブレットPCはホトンド存在せず、その点で大きな優位性を持っていたが、2013年1月においては、「ARROWS Tab Wi-Fi WQ1/J」など、同様の“トレードオフ”を持つ製品が登場したことで、その優位性は以前ほどではなくなっている。その上で、ThinkPad Tablet 2の独自性を見出すとするならば、ThinkPad Classicシリーズと同じ工場出荷時テストをクリアしている耐久性と耐衝撃性能を挙げることができるだろう。

 タッチ操作主体となるタブレットPCということで、OSのマンマシンインタフェースが使い勝手に大きく影響する。その点で、Windows 8のユーザーインタフェースは、タッチ操作でもストレスなくThinkPad Tablet 2を利用できる。ただ、デスクトップ画面に移行して、Microsoft Officeなどの従来からあるデスクトップ対応アプリケーションを利用する場面では、やはり、キーボードがあると楽に使えると思わずにはいられなくなることが、少なからずあった。“Windowsスタイル”ですべての操作が完結すればいいのだが、それでは、“フルのWindows 8”が使える優位性が生きてこない。

 これは、ThinkPad Tablet 2が抱える欠点ではなく、マイクロソフトが解決すべき問題だが、購入を考えているユーザーとしては、よく検討しておきたい。レノボ・ジャパンでは、ThinkPad Tablet 2専用のスリーブケースをオプションで用意しており、このケースに収納してThinkPad Tablet 2をクラムシェルスタイルで利用できる専用キーボードも準備している。ただ、これらを組み合わせると、重さが1.3キロ近くと、Ultrabookや軽量ノートPCといったCoreプロセッサー・ファミリー搭載デバイスとほぼ同じになることも考慮しておきたい。

参考記録ながら従来のAtomとはちょっと違う性能が

 今回評価した機材は、出荷前の量産試作機なので、性能に関する考察やバッテリー駆動時間、そして、表面温度の変化などの検証は、別な機会に紹介する。ここでは、試験的に測定したPCMark 7とCristalDiskMark 3.0.1、そして、CINEBENCH R10の結果を示すが、その結果は、従来のAtom Z600シリーズを搭載タブレットPCと比べて、Creativity、EntertainmentやComputatonなどは大幅に向上するものの、ProductivityやSystem storageは低くなり、Core i5クラスのCPUを搭載するタブレットPCには、まったく及ばない。

ベンチマークテスト項目 ThinkPad Tablet 2
PCMark7 PCMarks 1388
lightweight 904
productivity 541
creativity 2935
entertainment 1008
computation 3725
system_storage 2979
CrystalDiskMark3.0 1000M:Read Seq 64.76
512K 74.89
4K 8.616
4K QD32 10.08
1000M:Write Seq 30.29
512K 27.55
4K 1.993
4K QD32 2.116
CINEBENCH R10 CPU Single 596
CPU Multi 951

 この性能差を理解した上で、Androidタブレットデバイスのように薄くて軽量、そして、バッテリー駆動時間が長い“フルWindows”とその対応アプリケーション(多くのユーザーにとってはMicrosoft Officeシリーズ)が使える“頑丈な”タブレットPCが必要なユーザーにとって、ThinkPad Tabletは有力なモデルとなるだろう。ただ、その場合、一緒に持ち運べる軽量なキーボードも用意しておくと、ドキュメント作成におけるストレスは大幅に軽減できるはずだ。

ペンホルダーがあるタブレットPCは意外と少ない。取り外すときに赤いトップを押してしまいがちだが、脇の突起をスライドして取り出すようになっている。タブレットペンが付属しない構成ではダミーのキャップをはめるが、このトップも同じように赤い(写真=左)。解像度がそれほど高くないので“指タップ”でも十分操作可能だが、それでも、アイコンのタップではタブレットペンが重宝する(写真=右)

(記事掲載当初、NFCモジュールと専用Bluetooth接続キーボードの販売に関する説明に誤りがありました。おわびして訂正いたします。また、レノボ・ジャパンが発表当初10点同時タッチに対応としていたタッチパネルについても、正しくは5点同時タッチ対応と発表がありましたので、あわせて記事内容を変更いたします)

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