NECの2013年PC夏モデルで注目したいシリーズの1つが、コードネーム:Haswellと呼ばれるインテルの第4世代Coreプロセッサー・ファミリーを搭載予定とする「LaVie L」だ。
LaVie Lは自宅の書斎/プライベートルームに据え置き、Raw写真や映像編集、動画エンコードといった近年のPCの利用シーンでは比較的高いPCパフォーマンスを望む個人層へ訴求する高性能志向のシリーズだ。新世代CPUの刷新とともに、より美しく使いやすいをテーマにしたデザインチェンジも行われた。
今回はそのLaVie L(LL850/MS)の新デザインを写真で見ていこう。本当は中身もチェックしたいのだが、当評価機はオトナな事情で外観撮影のみが許された個体。実パフォーマンスチェックは追って別稿で取り上げる予定とさせていただきたい。
ボディは、15.6型サイズということで相応に大柄だ。ただ、プライベートルームからリビングルームなど、自宅内で持ち運ぶ程度なら苦にならない範囲であり、15.6型としては標準的なサイズ感と言える。本体サイズは382(幅)×270(奥行き)×33.1(高さ)ミリ、重量は約3キロ。参考までに2012年春モデルは382(幅)×270(奥行き)×33.2(高さ)ミリ、重量は約3.1キロだったので、サイズはほぼ同じである。
ともあれ、天面/キーボード面のなめらかな光沢感は変わらずとても美しい。評価機のカラーはブラック(クリスタルブラック)だが、標準モデルのLL750/MSはこのほかにクリスタルレッド、クリスタルホワイト、クリスタルゴールドと計4色のカラーバリエーションより選択できる。参考までにクリスタルゴールドの色の感じは、NEC Directの快速・最強Webオリジナルモデル「LaVie G タイプL(フルHDモデル)」のレビュー記事を参考にしていただければ幸いだ。
一方、ディスプレイ関連の仕様はかなり向上し、やはり高性能・高機能を望む中級者以上の個人ユーザーもおおむね納得できそうな仕様となっている。春の店頭モデルでは省かれたフルHD(1980×1080ドット)解像度+タッチパネルの仕様は今回のLL850/MSで復活し、本モデルにはあざやか/広視野角なIPSパネル「スーパーシャインビューLED-EX2 IPS液晶」を採用している。なお、本シリーズのフルHDディスプレイについては前述した快速・最強Webオリジナルモデル「LaVie G タイプL(フルHDモデル)」で検証したとおり、やはり広大な作業領域が得られ、複数のウインドウを同時に開いて作業する場合も1画面にまとめて表示でき、かつウインドウ切り替えや開閉の作業も最小限で済ませられる操作性のよさ、そして視野角が広いので15.6型の比較的大きい画面で正対するにしても色変化がほとんど生じないはっきり・くっきりの表示が期待できるのが魅力だ。
また、クラムシェル型ノートPCには要不要の議論……もあるのはさておいて、Windows 8のジェスチャー操作対応の静電マルチタッチ対応のタッチパネルも実装し、大型のタッチパッド(従来比38%サイズ拡大)、付属のワイヤレスマウス(レシーバー内蔵)とともにWindows 8のジェスチャーによる直感的な操作が可能となっている。
キーボードはキートップをクリアコートした「クリスタライズキーボード」を前モデルより継承する。キー1つ1つが分離したアイソレーションタイプで、キーピッチは標準19ミリ/キーストローク2ミリを確保。テンキー付きの106キー日本語JIS配列となる。さらに夏モデルは「防滴性能」が追加された。
防滴構造キーボードは本シリーズおよびLaVie Sに新たに採用されたものだ。キーボード裏面のユニット全面を覆うフタと、水滴を外部へ排出するドレンポートを設けて防滴を実現する。“防水”を保証するものではないが、この仕組みにより水滴がPC内部に混入する時間を遅らせ、安全にシステムをシャットダウンする時間を確保する目的で設けられた。
搭載インタフェースは、本体左側面よりUSB 3.0×2、HDMI出力、ギガビット有線LANポート、マイク入力、ヘッドフォン出力、右側面にハードウェアボリュームスイッチ、USB 3.0×2、Blu-ray Discドライブ、セキュリティロックポート、本体前面にSDメモリーカードリーダー(SDXC対応)、後面にDC入力端子、USB 3.0×1を実装する。左右後面それぞれにUSBポートがあり、すべてUSB 3.0対応としたのは、モバイルモデルよりボディサイズに余裕があり、屋内でデスクトップPC代替としての利用シーンが想定される本シリーズならではの強みである。
ちなみに上位モデルLL850/MSは、無線LANの新規格「802.11ac」を同社製PCとして初サポートしたのも高性能志向のモデルを望む層に喜ばしい仕様だろう。2013年5月現在、3ストリーム(3×3 MIMO)での最大1300Mbps通信対応とする802.11ac Draft対応無線LANルータ(アクセスポイント親機)「AtermWG1800HP」(NECアクセステクニカ製)などが国内周辺機器メーカーより登場しているが、クライアント(子機)としてPC内蔵タイプの登場も望まれていた。LL850/MSはインテル製ではない(公開されたスペック表より想定)マルチバンド(2.4GHz/5GHz帯)802.11a/b/g/n/ac Draft対応無線LANモジュールを実装し、5GHz帯を用いる802.11acは2ストリーム(2×2 MIMO)/最大867Mbpsでの無線通信をサポートする。
バッテリーは出力14.4ボルト/3350mAhの仕様で着脱が可能。カタログ値の動作時間はLL850/MSが約4.5時間、LL850/MSが約6.9時間となる。どちらも第4世代Coreプロセッサー・ファミリーを搭載する予定だが、採用CPUの違い、そしてより高解像度のフルHD+タッチパネルを採用するディスプレイ仕様の違いなどによりいくらかの差が出ているものと思われる。
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